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たかたまさひろ(著)

こころのおそうじ

たかたまさひろ(著)

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たかたまさひろ(著)

No.304『毎日が人生の決算日』

あいつのほうが給料が高い。あいつのほうがモテる。あいつのほうが才能がある。
それにひきかえ自分は……。
他人と自分を較べれば、必ず劣等感にさいなまれることになります。
なぜなら、どんなに恵まれている人にも、「上には上がいる」からです。
経済的な豊かさという点において、世界一のお金持ちと較べれば、それ以外の人はみな「敗者」です。
劣等感を取り払う方法は、「他人と自分を較べることをやめる」という以外にありません。

それでも、「他人に勝ちたいという欲求は、人間の本能のようなもので、そう簡単に払しょくすることはできない」と思う人もいることでしょう。
欲求は、たしかに人間にとって必要なものです。
欲求があるから、人間は成長できるのだし、「他人の役に立ちたい」「他人を愛したい」というのも欲求のうちです。
しかし、その欲求によって人間は苦しむのだということも忘れてはいけません。
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「欲求を捨て去るということは、何も求めず、努力もせず、無気力で自堕落な生活を送るということなのか」という疑問をもっている人もいるのではないでしょうか。
欲求を捨て去ることと、充実した幸せな人生を送ることとは、けっして矛盾しません。
お金がほしい、恋人がほしい、他人から認められたい。あらゆる欲求は、元をただせば、「幸せになりたい」という願望です。その本来の目的さえ忘れなければよいのです。
不思議なことに、欲求を捨て去ることによって、人はますます幸せを感じられるようになるのです。

あれもほしい、これもほしい、もっとほしい……。人間の欲求のやっかいな点は、必ずエスカレートしていくというところです。
なぜ欲求がエスカレートしてしまうのかといえば、現状に満足していないからです。
すなわち、「求め続けること」は、「いつまでたっても幸せになれない」ということを意味するのです。
充分に満たされていると感じ、「もうこれ以上は何もいらない」と思えることが、本当の幸せだと言えるでしょう。
欲求を抑えることができる人は、けっして無気力でも自堕落でもないのです。

「足りないから埋め合わせる」と考えていては、永久に満足できることはありません。
「何が何でも、自分の思い通りにならなければ気がすまない」という欲求は、たとえ満たされたとしても、けっして人を幸せにしないのです。
「今のままでも充分に幸せだ」と思うことができてはじめて、「さらに自分を高めたい」という向上心が生まれます。
「できることなら、さらに上を目指したい。しかし、それがかなわなくても不幸というわけではない」という心の状態が、もっとも最適だといえます。
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どんなに恵まれた人にも、不運な人にも、おしなべて平等に与えられた条件があります。
それは、「人は必ず死ぬ」ということです。
どれだけ莫大な財産を築いても、墓に入るときはこの身ひとつです。
100年もたてば、自分のことを覚えている人はこの世にひとりもいないでしょう。
過ぎ去ってしまえば、すべては一瞬のはかない夢にすぎません。
その厳粛な事実に較べれば、それ以外の損得や勝ち負けがいったい何だというのでしょう。

「このまま私は一生、つまらない人生を送るのか」と絶望している人は、「自分の命がずっと続くことを当然だと思っている楽天的な人」だとも言えます。
もし明日死ぬと判ったら、そんな悠長なことを言っている暇はありません。
私たちは、「今、ここでできること」をやるしかないのです。
朝起きたときに命が誕生し、夜には死ぬものだと考えて、毎日が決算日のつもりで生きてみましょう。

得たものは、必ずいつかは失います。
自分の命も、肉体も、財産も、人間関係も、ほんのつかの間、拝借しているものにすぎません。
人から借りた本が汚れていたからといって、怒って破いてしまう人がいるでしょうか。
借りたものは、大切に扱わなくてはなりません。そして、返してくれと言われたら、すぐにでも返さなければなりません。
毎日、その覚悟は決めておかなければならないのです。

今日会った友人には、もう二度と会えないつもりで接しましょう。
今日やり残したことは、明日に回すことはできないと考えて、何が大切かを見極めましょう。
10年後のことを案じても、3年前の失敗をくよくよ悔やんでも仕方がありません。
「今日できることを精一杯やった。それ以上は望むべくもない」
毎日、そう思いながら過ごすことができたならば、それが本当に幸せな人生なのです。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.300-307
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