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No.302『他人に裏切られるという不安』

恋人や友人にメールを送ったのに、なかなか返事がこない。自分がないがしろにされているようで、腹が立つ。
そういうとき、いくら相手に「早く返事をよこしなさい」と求めても、互いの関係がよくなるわけではありません。
どれだけ返事が早く返ってきたとしても、「メールの返事がこなければ、すぐに不安になるような関係」であることに変わりはないのです。
そのような「相手に対する不信」こそを見直すべきなのです。

頻繁にメールのやり取りをするのがいけないというのではありません。互いにそれを楽しんでいるのであれば、まったく問題はないのです。
しかし、メールをたくさん送るのが好きな人は、えてして「他人が自分を見捨てようとしていないかをつねに警戒している」という傾向があるものです。
相手を信用しておらず、いつか裏切られるかもしれないと疑っているから、「メールにすぐ返信してくれるか」「こんなメールを送れば、どう反応するか」と、相手の気持ちを試し、確認を繰り返さなければ気がすまないのです。
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人間関係に不安を感じている人の多くは、「自分をありのままに受け入れてほしい」と願っていることでしょう。
しかし、「自分をありのままに受け入れてくれる人を求める」という言い方には、大きな矛盾があります。
他人に対して、自分を無条件に受け入れてくれることを求めているのに、自分のほうは、「自分を受け入れてくれる人だけを受け入れる」と、他人を選別しているのです。
自分を無条件で受け入れてほしいと思うなら、自分も他人に条件を課してはいけません。

では、他人をありのままに受け入れるためには、どうすればよいのでしょうか。
「不用意に他人を信用して、裏切られたら損だ」と思っている人もいるかもしれません。
ここで、「裏切られる」とは、いったいどういうことなのかを考え直す必要があります。

「他人に裏切られた」というのは、多くの場合、「自分が期待していた利益を与えてくれなかった」ということにすぎないのです。
恋人が以前は優しかったのに、最近、態度が冷たくなった。
それは悲しいことには違いありませんが、恋人はあなたを「裏切った」わけではありません。
相手は、あなたの機嫌をとるために生きているわけではないのです。

もともと冷たい人であれば、「そういう人なんだな」と思うだけで、裏切られたとは思わないはずです。
自分が優しく扱われることを当然だと思っていたから、「裏切られた」と感じてしまうのです。
自分が他人を勝手に「敵か、味方か」に選別していたことが、「裏切られた」という意識を生み出すのです。
「以前は優しかった」ということさえ批判の対象となってしまうとは、まさに「他人の欠点をあげつらおうと思えば、いくらでもできる」ということの典型的な例です。

他人を敵、味方に分けるという考え方は、大きな危険をはらんでいます。
相手を味方だと思うと、ささいな欠点が目についてしまいます。
相手を敵だと思うと、長所さえも欠点のように思えてしまいます。
他人の存在を「自分にとって得か、損か」で見分けようとすると、往々にして判断を誤ってしまうのです。
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他人に裏切られないようにするための方法は、他人を損得勘定で評価しないことです。
他人を評価するときは、「自分に何をしてくれるか」ではなく、「相手を尊敬できるか」「相手から学ぶ点があるか」「その人と付き合うことで、自分が成長できるか」などを考慮すべきです。

もちろん、自分に優しくしてくれる人を好きになるというのは、しごく自然な感情です。
しかし、人間は横着なもので、優しくされることに慣れてしまうと、それを当然だと思うようになってしまうのです。
他人から受けた親切をいつまでも覚えておくことは大切ですが、それを当然だと思わないよう、つねに自分に言い聞かせておかなければなりません。

「自分は他人に嫌われていないだろうか」「他人は自分を裏切らないだろうか」などということをいくら考えても仕方がありません。
そう思えばいくらでも思えるでしょうし、思わなければ思わないですむのです。
うまくいく人とは、どんなに遠回りをしても、いずれうまくいくでしょうし、うまくいかない人とは、どれだけ焦っても、うまくいかないのです。

他人との付き合いおいて、考えるべきことはただひとつ、「相手のよい点を認めてあげよう」ということだけです。
相手が何もしてくれなくても、自分が相手から学び、成長することができたなら、それは大きな収穫なのです。
そういう見方をしていれば、けっして他人に「裏切られる」ということはありません。
(おわり)

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たかたまさひろ(著)
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メッセージ No.300-307
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