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No.297『ことさらに自分をアピールしなくてもよい』

人の輪の中に入れない。
好きな人に話しかける勇気がない。
「自分をアピールしたいのに、なかなかできない」という悩みを抱えている人も多いと思います。

テレビを見れば、個性的なタレントたちが、少しでもほかの人より目立とうとして、あの手この手の主張合戦を繰り広げています。
就職活動のマニュアル本を開けば、「いかに自分を売り込むか」の戦略がこと細かに論じられています。
そういうものを見るにつけ、自分をアピールすることが苦手な人は、「誰にも相手にしてもらえないのではないか」「自分だけ取り残されてしまうのではないか」という不安を感じてしまうのではないでしょうか。
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しかし、「自分をアピールすること」「目立つこと」が、それほど重要でしょうか。
たしかに、営業の仕事などでは、積極的に商品を売り込んでいく必要があります。しかし、「儲けがうまい」ということは、人間の価値とは関係ありません。
成績がトップのセールスマンは、羨望の眼差しで見られますが、同時に嫉妬や敵意も向けられることになります。ライバルたちは、何とか足を引っ張ろうと虎視眈々と狙っているのです。
また、顧客の中には、「口車に乗って、必要のないものまで買わされた」と恨んでいる人もいるかもしれません。

「つねに目立ち続ける」ためには、強いストレスにさらされることを覚悟しなければならないのです。
自分をアピールすることによって、得をする部分もありますが、見えないところで損もしているのです。
仕事では、「利益をえる」という目的のために切磋琢磨することも必要かもしれませんが、人間関係は、「誰が一番得をするか」を競い合うものではありません。

あなたは、「やたらと自分をアピールしたがる人」と付き合っていて、楽しいでしょうか。逆に、疲れてうんざりするだけではないでしょうか。
そう思っている人はたくさんいるはずなのです。
他人は、けっしてあなたを「自分を表現するのがうまいか」で評価しているのではありません。

「口のうまい人」「目立つ人」は、自分を主張することばかり考えていて、他人の話をあまり聞いていないものです。
他人の印象にはよく残っても、あまり好意をもたれていないことが多いのです。
そういう人が人気があるのは、「その人の近くにいれば、自分も目立つことができるから」です。
本人と親しくなることが本来の目的ではなく、「その人を媒介として、交友関係を広めたい」という打算のために、多くの人が寄ってくるのです。
「みんなの人気者」は、意外にも、誰からも本気で好かれていないものなのです。
もちろん、アピールがうまくて、本当に好かれている人もいますが、そういう人は、単にアピールがうまいからという理由で好かれているわけではないのです。

他人とよい関係を結ぶために必要なことは、「うまく自分をアピールすること」ではありません。
何よりも大切なことは、「人の話をよく聞くこと」です。
どれだけ積極的で、饒舌で、面白くても、人の話を聞かない人は、けっして好かれることはありません。
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アピールの苦手な人が、これまで他人となかなか親しくなれなかったのは、「自分をうまく表現できないから」ではなく、「自分を出せないことに劣等感をもっていたから」です。
「どうせこんな私と付き合っても、相手は楽しくないだろう」と、つまらなそうな顔をしていては、本当に他人を遠ざけてしまいます。

まず自分が、他人のいいところを見つけて、それを楽しめばいいのです。
または、趣味に打ち込んだり、何か目的をもって勉強をしたり、「自分なりの生きがい」を見つけるのもよいでしょう。
楽しそうにしている人のところには、必ず人が寄ってきます。
必死になって自分をアピールしなくても、他人に対して「いつでも受け入れますよ」という姿勢を見せていれば、それで充分なのです。

自分の長所というものは、ことさらに主張しなくても、きっと誰かが見つけてくれます。
むしろ、自分からこれ見よがしに主張してしまえば、かえって反感をもたれてしまうのです。
「自分の長所は、他人が見つけてくれるもの」と、他人を信じて、どっしり構えておきましょう。
「自己主張の激しい人」よりも、「控えめだが、付き合ってみれば奥の深い人だった」というほうが、小粋で洒落ているではありませんか。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.290-299
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