No.296『悩みを笑い飛ばそう』

たかたまさひろの本 累計29万部

リラックスブック

こころのおそうじ

こころが休まる本

他人は、なかなか自分の思い通りにはなりません。
「なぜあの人は、そんな自分勝手なことができるのだろう」「なぜそんなことも判らないのだろう」「あんな言い方をしなくてもいいのに」など、他人に対してやり場のない不満を抱え込んでいる人も多いのではないでしょうか。
他人の行為が法を犯しているのであれば、警察や弁護士に相談すべきです。素人に対処できることにはかぎりがありますので、専門家に任せたほうがよいでしょう。
逃げられるのであれば、無理に対抗しようとせず、さっさと逃げるのが得策です。

やっかいなのは、単に「自分が気に入らないだけ」という場合です。
文句を言いたいが、相手との関係が気まずくなってしまうのも困る。いちいち目くじらを立てるほどのことではないのかもしれない。こんなささいなことを気にする自分のほうが、心がせまいのだろうか……。
そう悩んでいる方のために、解決法のひとつをご紹介します。

ある会社員の男性は、職場の無責任な上司に悩まされていました。
その上司は、親戚のコネで入ってきただけで、仕事はまったくできません。できないどころか、覚えようともしないのです。嫌な仕事をすべて部下に押しつけ、自分は責任をとろうとしません。
その上司が部下を叱るときの口ぐせは、「お前は本当に使えないな」です。
男性は、「使えないのはそっちだろ!」という言葉をぐっとこらえ、上司の理不尽な叱責に耐えていました。

あるとき、男性は、子供のころに好きだったウルトラマンのことを思い出し、このいい加減な上司を「怪獣チャランポラン」と名付けてみました。
そして、上司に叱られたとき、自分がウルトラマンになったつもりで、「出たな、怪獣チャランポラン!」と心の中で叫んでみました。
ウルトラマンに投げ飛ばされ、空の彼方に消えていく怪獣チャランポラン。男性は、自分の想像に思わず失笑をもらしそうになりました。
すると、そんなことに腹を立てている自分がバカバカしくなってきたのです。

腹の立つことの9割は、このように「笑い飛ばしてしまえば、何でもない」ことです。
生真面目な方は、「ふざけたことを言うな。私の悩みは、バカバカしいですまされることではない」と反論されるかもしれません。
しかし、どうかだまされたつもりで実践していただきたいのです。

そんな想像を楽しんだところで、上司の性格が変わるわけではありません。
しかし、ただイライラしても何も変わらないのですから、同じことです。仮に他人を変えることができたとしても、新しい不満は次から次に生まれてくるでしょう。
現実は何も変わらない。まさにここが肝心で、イライラを解消するための方法は、けっして「他人を変える」ことではないのです。

「嫌なことがあるから、人生がつまらない」のではなく、「人生を楽しもうとしていないから、嫌なことが目につく」のです。
まったく同じあらすじで、複数の作家に小説を書かせると、悲劇になることもあれば、喜劇になることもあります。
「事実がどうであるか」ではなく、「事実をどう見るか」が問題なのです。
何でも面白がってしまえば、日々の生活はけっこう楽しみに満ちあふれています。

他人の悪口ばかり言っている人は、「怪獣バリゾーゴン」。
自慢話をするのが好きな人は、「怪獣ナニサマテング」。
話しかけたのに無視をされたら、「怪獣クチナシ」。
腹の立つ相手は、怪獣に変身させて、空想の世界で退治してしまいましょう。
そして、さらに余裕があれば、イライラしているときの自分を「イライラ星人」と笑い飛ばしてしまいましょう。
笑いに勝る武器はありません。
「イライラしている自分」を嫌いになることはあっても、「笑っている自分」を嫌いになる人はいないはずです。

人間関係のほとんどの悩みは、「バカバカしい」と思うことで解決できます。
だからといって、自分の人生そのものがバカバカしいというわけではありません。
悩んでも仕方のないことを「バカバカしい」と思うのは、もっと大切なことに目を向けるためです。
自分の人生が大切だからこそ、つまらない悩みを「バカバカしい」と思えるのです。
むしろ、「他人が変わらなければ、自分は幸せになれない」と思うような人生こそ、ちっぽけでつまらない人生なのです。

「嫌いな人がいる」というのも、悩ましいことには違いないかもしれませんが、そんなことは、後回しの最後の最後でいいのです。
他人に腹が立ったときは、心の中でこう唱えましょう。
「他人を品定めしたり、裁いたりすることが私の仕事ではない。他人の役に立つこと、他人を愛すること、人生を楽しむこと。私には、もっとほかにやるべきことがたくさんある」
自分のやるべきことをはっきり把握している人は、それ以外のことは相対的にバカバカしいと思えるようになるのです。

No.290 - 299
前の10件 次の10件