No.273『本当の自分とは何か』

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自分に自信がもてない人、生きがいを感じられない人は、「今の自分は、本当の自分ではない」という漠とした虚しさを抱えているのではないでしょうか。
「ありのままの自分を認めよ」と言われても、「その自分というものが判らないから悩んでいるのだ」という人もいるかもしれません。
「本当の自分」とは、いったい何なのでしょうか。

自分の肉体は、鏡に映したり写真に撮ったりして見れば、それがたしかに「本当の自分」の姿であることは確認できます。
しかし、心の中は目に見えません。
「本当の自分」などというものは、いくら探しても、宝物を掘り当てるように発見できるものではありません。
それは、自分でつくり上げるしかないのです。

「本当の自分」について考えるときに大事なことは、「自分がどうなりたいか」という目的意識をもつことです。
理想的な自分の姿とはどういうものかといえば、ほとんどの人は、「幸せに生きている姿」を挙げるのではないでしょうか。
そこで、まずはひとつのとっかかりとして、「今の自分の置かれている状況は幸せである」と仮定してみてください。
実際に幸せを感じられなくても、ともかく「こう考えれば幸せである」と仮定し、その仮定に従って考え、行動してみるのです。

容姿が美しくなくても、毎日を笑って過ごせば幸せである。
家族と仲が悪くても、住む家があることは幸せである。
他人に認めてもらえなくても、しっかりとした自分の考えをもっていれば幸せである。

無理やりこじつけて自分の心をごまかすというのではありません。
仮定を立てるということは、自分の心と向き合うための第一歩です。
「本当の自分」を認められれば、ますます自分の素直な感情に従い、新しい人生を切りひらいていこうという意欲も沸いてきて、間違いは自然にうまく修正されていくのです。
「しっかりと自分をもつ」とは、「自分は絶対に正しい」と意地を張ることではなく、「たとえ間違いであっても、すべては自分で決めたことだ」という覚悟と責任感をもつということです。
仮定を立てるのも自分、間違いだと気づいたなら変えるのも自分です。

自分を本当の自分だと思えない人は、揺るぎない永久不変の幸せを求めているから、「どうせそんなものは見つからない」「もしえられたとしても、いつか失うだろう」と、はじめからあきらめてしまっているのではないでしょうか。
幸せは外部から与えられるものだと思っているかぎり、永久に幸せは感じられないでしょう。

絶対に失われない幸せがあればよいのですが、そんなものはこの世に存在しません。
ただひとつ、生きている間にけっして失われないものは、命です。
「命がある」ということが、唯一の「生きている意味」であり、それ以外の意味は創造するしかないのです。
幸せなどという実体のない概念は、目には見えないのですから、仮定の上でしか存在しません。
そのときどきの自分の状況に合わせて仮定すればよいのです。

たとえば、身体が健康であることは幸せなことです。健康な人は、その幸せを充分にかみしめるべきです。
では健康が損なわれた人は不幸なのかというと、けっしてそうではありません。
病床に伏しながら文学などの優れた芸術作品を残した人もいますし、身体に障害をもちながらスポーツに励み、健常者よりもはるかに充実した人生を送っている人もいます。
身体が健康なときは、「健康であることは幸せである」と仮定し、健康を失ったときは、「健康でなくても幸せである」と仮定すればよいのです。

キリスト教にはキリスト教の神様がいて、仏教を信じる人には仏様がいます。
神様も仏様も、目には見えず、信じる人の心の中に存在するものです。
「神を信じれば救われる」などということに科学的根拠はありません。ただ、そう信じているから、神様に守られているような気がして、本当に心が安らぐのです。
愛、友情、希望、信頼、自信……。心の中の見えないものは、すべて仮定にすぎません。仮定にすぎませんが、それを信じている人にとっては、紛れもなく真実です。

他人を信頼できる人は、「他人を信頼するほうが良好な人間関係を築ける」という仮定にもとづいて生きている人です。
他人を愛することができる人は、「他人を愛すれば、心が満たされる」と仮定している人です。
自分に自信のある人は、「自信をもったほうが人生が楽しくなる」と仮定している人です。
そう信じているから、実際にそう感じられるのです。

自分が本気で信じている自分の姿が、「本当の自分」です。
目には見えないのですから、好きなように創造してしまえばよいのです。
幸せな人とは、自分を幸せだと信じている人のことです。
どのような境遇に置かれていようとも、与えられた境遇の中で最善の生き方をすることが、その人にとっての幸せなのです。

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