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No.260『他人を許せないという心理』

他人に嫌なことをされたり、他人の無責任な行動を見たりすると、腹が立って、ひと言いってやらねば気がすまない。
本当はイライラしたりせず、毎日楽しく笑ってすごしたいのに。他人が私の心をみにくくするのだ。
しかも、私がこんなに苦しんでいるのに、その原因をつくっている相手は何食わぬ顔をしている。苦しまなければならないのは、相手のほうなのに。ますます怒りは募るばかり……。
人間関係においてストレスをため込んでしまう人は、心の中でこのような苦悩が渦巻いているのではないでしょうか。

心に充満した怒りは、いつか爆発してしまいます。少しずつガス抜きをしなければなりません。
腹の立つことは誰にでもあります。問題なのは、それをどう表現し、どう処理するかということです。
カッとなってけんか腰になれば、売り言葉に買い言葉で、収拾がつかなくなってしまいます。
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弱い人間ほど、徹底的に相手をやりこめようとします。本当の勝者は、相手の面子も立て、逃げ道を用意してやる余裕をもっているはずです。
まず大きく深呼吸をして、落ち着いて丁寧な言い方をすれば、ほとんどの人はちゃんと聞いてくれるでしょう。
不満を訴えることの目的は、自分にとって不利益な状況を改善することにあります。他人の過ちを責めるのではなく、改めてほしいことを説明することに重点をおかなくてはなりません。
多くの人が、ついトゲのある言い方をしてしまったり、いつまでも恨みを引きずったりしてしまうのは、文句を言うだけではもの足りず、「相手に罪悪感を植えつけてやりたい」と考えてしまっているからです。

人間関係のストレスの根本は、この「他人に罪悪感を植えつけてやりたい」という無意識の怨念です。
自分は被害者だといいながら、心理的にはわざわざ他人にからみついているのです。
その心の糸をたどった先に見えるものは、自分自身の屈辱や罪悪感です。
過去にまわりの他人から自分に向けられた批判、嫌悪に対する復讐なのです。

私は、悪いことをしたときには、他人に厳しく責められ、罰せられた。そのたびに、他人から見捨てられる恐怖に怯え、自分を責めて苦しんできた。
だから、他人も悪いことをしたときには、もっと罪悪感に苦しむべきである。
自分の罪悪感の深さが、同じ過ちをおかした他人への批判という「正当な形」となって噴出し、抑えられなくなってしまうのです。

しかし、いくら他人の足を引っ張っても、自分が幸せになれるわけではありません。
罪悪感に苦しめられている人は、「自分が責められたとき、誰も助けてくれなかった」「もっと私を理解してほしかった」という悲しみを抱えているのではないでしょうか。
自分がそうしてほしかったように、他人の気持ちを理解するように努めてみてください。それがひいては、自分の罪悪感からも解放されることになるのです。
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他人の言動が、どんなに批判されるべきものであっても、やはり何かの理由があるのです。
他人を責めるのは、あらゆる理由を考えつくしてからでなければなりません。
怒りを感じたときは、想像力を鍛えるチャンスだと思えばよいのです。
自分が他人から理解されなくても、自分が他人の気持ちに共感するように努めれば、他人との心のつながりはえられるのです。

他人との一体感を感じられれば、心に余裕が生まれます。
自分も他人も、同じ太陽の下で生きる者として、根っこではつながっているのだと思えば、「どちらが勝つか」という競争ではなく、「ともに成長しよう」という連帯意識が芽生えてきます。
「自分だって責められたのだから、他人も責めてやる」ではなく、「自分だって同じような過ちをおかしたのだから、他人の過ちにも目をつぶろう」と考えられるようになるのです。

どうしても他人の気持ちを想像できなければ、腹の立つ相手はみな「死にかけている病人」だと思えばよいのです。
明日にも死ぬかもしれないという人に対して、「もっと気を遣え」だの、「迷惑をかけるな」だのと不満をもつ人はいないでしょう。
本当に病人ではなくても、どうせ相手の深い事情は判らないのですから、同じことです。要は、自分の気のもちようでどうにでもなるということです。

平気で他人を傷つけたり、迷惑をかけたりする人は、すでに充分に不幸なのです。
不幸な人の真似をして、仲よく不幸を共有することはありません。
相手が間違っていると思うならなおさら、非難してよけいに追いつめるのではなく、「こうすれば幸せになれますよ」と、率先して手本を示せばよいのです。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 44刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.260-269
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