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No.256『内から外に向かう幸せ』

多くの人は、幸せになるためには、ある条件をクリアしなければならないと考えています。
いい会社に入れば、給料が上がれば、もっと美しくなれば、結婚すれば、子供ができれば……。何かが変わるかもしれないと期待します。
しかし、幸せを求めて懸命に努力してきたつもりなのに、ふと振り返ってみれば、なぜか心は満たされず、「ほかの人は幸せそうに見えたのに、なぜ自分が同じことをしても、幸せを感じられないのだろう」と、だまされたような気分になってしまうのです。

心からの幸せを実感するには、どうすればよいのでしょうか。
金持ちである、友人が多い、美人の恋人がいる、などという形式的な条件を整えれば幸せになれるというわけではありません。
幸せとは、「外から内に入ってくるもの」ではなく、「内から外に広がっていくもの」なのです。
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金持ちで、なおかつ幸せな人もいるでしょう。
しかし、金持ちであることが幸せの絶対条件ではありません。
金持ちで幸せな人は、「金持ちである」という外的な条件が幸せを生んだのではなく、内面の幸せが、たまたま「金持ちである」という形になって表れただけなのです。

多くの友人に囲まれ、幸せに生きている人もいます。
しかし、ただ友人が多ければ幸せだというわけではありません。
嫌われないように気を遣い、媚びへつらってまで「多くの友人を確保すること」に神経をすり減らしている人は、むしろ不幸だといえます。
「多くの友人がいる」ということは、内面の幸せが生んだひとつの現象にすぎないのです。

自分が求めている幸せが、本当の幸せであるかどうかを判断するためには、「ほかの人も同じように幸せになってほしいと思うか」と考えてみれば判ります。
高級車を乗り回して得意になっている人は、「ほかの人も高級車に乗ればよいのに」とは思わないでしょう。みんなが高級車に乗るようになってしまえば、相対的に自分の車が高級ではなくなり、優越感をもつことができなくなってしまいます。
「ほかの人も同じように幸せになれば、自分の幸せが薄まってしまう」というのであれば、それは本当の幸せではないのです。

また、幸せを求める理由が、「まわりの人がみんなやっているから」という安直な場合も、本当の幸せとはいえません。
みんなが海外旅行に行っているから、自分も行く。
みんながブランド物の服を着ているから、自分も着る。
みんなに恋人がいるから、自分も恋人をつくる。
このような願望は、「他人と較べて見劣りがするのは嫌だ」という不安の裏返しにすぎず、心からの幸せを実感できるものではありません。
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生きがいがもてない、毎日がつまらない、と嘆いている人は、見かけ上の幸せを手に入れてごまかそうとします。
見かけ上の幸せとは、「自分だけが優越感を味わいたい」というものか、「みんながやっているから、自分もやる」という類のものです。
しかし、形ばかりの幸せの条件をいくら整えても、「何かが違う。こんなはずではなかった」という違和感は、トゲのようにチクチクと心を痛め続けます。

そこで落ち込むことはありません。
見かけ上の幸せで身を固めても満足できないのは、むしろ心が健全である証拠なのです。
「自分を幸せそうに見せかけ、他人に見せつけても、本当の幸せは感じられない」ということが、心の奥では判っているということです。
「自分の心から目をそらそうとせず、正面から向き合いなさい」と、心が訴えかけているのです。

あれもほしい、これもほしい、と人々が望んでいることのうち、本当に必要なものは、ごくわずかです。それ以外のものは、虚しさを紛らわせるためのごまかしにすぎません。
「幸せそうに見える」という外面に執着せず、内面の幸せをじっくりと熟成させれば、その幸せは自然に表面上にもしみ出してくるものです。
逆に、自慢をするための見かけ上の幸せが、内面の幸せを生むということはありません。
他人をうらやましがらせたほうの勝ちではありません。心から楽しんだ者の勝ちなのです。
「見かけ上の幸せを手に入れなくても、どうすれば幸せに生きられるか」を考えることが、幸せを実感する一番の近道なのです。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.250-259
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