No.238『自分の心をしばるもの』

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自分に自信がもてず、自分を責めてばかりいる人は、「〜しなければならない」という言葉を口癖のようによく言います。
言いたいことをはっきり言わなければならない、もっと勉強しなければならない、嫌いな人とも付き合わなければならない、何か打ち込めるものをもたなくてはならない……。

人生は「しなければならないこと」の連続で、それらのノルマをこなすことに疲れ果て、まったく楽しむ余裕がないのです。
そして、懸命に努力しても報われないことを悲観し、よけいに自信を失ってしまう、という繰り返しなのです。

そういう人は、何ごともいい加減にすませることのできない、真面目な努力家なのでしょう。それは立派な長所です。
「しなければならないこと」の内容は、もっともなことばかりであり、たしかにそうすべきなのです。
しかし、それがかえって自分を苦しめるのであれば、少し考え方を変えてみる必要があります。

「〜しなければならない」という言い方には、「強制されている」という意味が含まれています。
明確な意志をもって、自分で自分をコントロールしているならば、それは大きな自信、心の支えとなり、自分を苦しめることはありません。

「しなければならないこと」に苦しんでしまう人は、「自分がそうすべきだと思うから」しているのではなく、「そうしなければ、他人に認めてもらえないから」仕方なくやっているにすぎないのです。
本当は、「こんなにしっかりやっているのだから、もっと認めてくれてもいいではないか」という不満を訴えたいのです。

他人に認めてもらえるような、人間として恥ずかしくない行動をとることは、たしかに大切なことです。
しかし、「他人に見下されるのが怖い」と怯えることと、「他人に認められるような人間になろう」と自分を律することとは、大きく違います。
何のためにそうしなければならないと思うのか、という理由が重要です。

「努力したのに報われなかった」というのは、そもそもの出発点が間違っているのです。
努力は、必ず報われます。
ただし、いつも100パーセント報われるというわけではありません。
80パーセントでも、50パーセントでも、たとえ10パーセントでも報われるならば、努力することには意味があるのです。
完全に失敗したとしても、「こういうやり方ではうまくいかない」ということを学ぶことはできます。

「〜しなければならない」ではなく、「〜したいと自分が思う」と言い方を変えてみましょう。
言い方を変える癖をつければ、しだいに性格も変わります。
他人に嫌われたくないために言いなりになってばかりいる人も、失敗を怖れて何にも挑戦できないという人も、そのほうが居心地がよいから、そうしているのです。
自分で最善だと思う選択をしているのですから、それ以上は望むべくもありません。
どうしても我慢できないなら、ほかの選択をするしかないのです。

自信とは、「どれだけ他人から評価されたか」で測られるのではなく、「どれだけ自分が成長できたか」を自分の心で実感することによりえられます。
自分のことだけ考えていればよいというのではありません。心の明るい人は、まわりも明るく照らします。
本当の生きがいとは、「自分が成長することが、ひいてはまわりを幸せにすることになる」ということまで見すえているものなのです。

「〜したい」という言い方をすることにより、「何のためにするのか」という自覚と意欲が生まれてきます。
たとえ「他人から強制されてやっている」のだとしても、「そうしなければ、自分が困るから」と判断しているのは自分自身です。
自分がそうしなくても、何も困らず、誰にも迷惑をかけず、そしてそれを恥ずかしくないと思うのであれば、する必要はありません。

何ごとも、自分が少しでも得をしたいから、いい思いをしたいから、やっているのです。
他人の評価を気にしているのだとしても、「評価されたい」という欲求は自分の心の中にあります。
「自分で判断してやっているのだ」という心構えがあれば、失敗しても自分の価値が下がるということはありません。

ほとんどの場合は、「できないこと」による不都合よりも、「できないと悩み苦しむこと」による精神的ダメージのほうがはるかに大きいのです。
がめつく最大の利益を求めるよりも、「最悪を選ばないようにする」ことに気をつけさえすれば、人生はそこそこやっていけるものです。
努力することは大切ですが、何でも完璧にこなす必要はありません。
できないと悩み苦しむより、できないことによる不都合を受け入れたほうが、気分はずっと楽になります。
その分、できることを精一杯やって、欠点を補ってあり余るほどの長所を身につければよいのです。

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