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たかたまさひろ(著)

No.228『ひとつの問題にとらわれてはいけない』

「夫が、結婚前はいろいろ気を遣ってくれていたのに、今はまったくかまってくれない。自分が女として見られていないことが虚しい……」
よく聞かれる妻たちの悩みです。
もちろん、どちらが悪いのかと言えば、夫のほうです。およそ日本人の男性は、愛情を素直に表現するのが苦手なようです。
しかし、夫を責めても問題は解決しません。そんなに嫌なら別れればいいという話になってしまいます。

「相手が悪いのだから、相手が変わるべきだ」とかたくなに考えていては、何も事態は好転せず、結局自分が損をするだけで終わってしまいます。
結婚とは、どちらが正しいかを競い合うためにするのではなく、互いが幸せになるためにするものです。
たとえ相手が間違っているのだとしても、自分が変わることでしか自分の人生はひらけません。
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まず考えなくてはならないことは、「夫の存在価値は、私をかまってくれること以外にないのか」ということ、そして、「私の存在価値は、夫にかまってもらえるかどうかという一点だけで決まるのか」ということです。
たとえ夫がいつも妻を気遣ってくれる優しい人だったとしても、妻にとってほかに生きがいがないのだとすれば、それ自体が問題なのです。

夫がかまってくれないからといって、妻がストレスをため、いつもつまらなそうな顔をしていては、夫はますます妻を敬遠するようになります。
逆に、妻が自分の人生を楽しんでいれば、夫は「何だか楽しそうだな」と、妻に興味を引かれるようになるのではないでしょうか。

どんな悩みも、人生全体から考えれば、ほんの一部にすぎません。
悩みは、当然ながら「気にする」からこそ悩みとなります。
ほとんどの悩みは、必要以上に気にしなければ自然に解決するものなのです。

真面目で責任感の強い人は、何でも深刻にとらえてしまいがちです。
「どんなことにも全力で立ち向かうべきだ」「問題が解決できないのは努力が足りないからだ」と自分を追いつめ、疲れ切ってしまうのでしょう。
「ありのままを受け入れる」ということは、現状に甘んじて妥協することだと勘違いしているのかもしれません。

もちろん、何ごとにも全力で取り組むという姿勢は間違ってはいません。
しかし、たったひとつの問題で人生の幸不幸が決まるわけではありません。
さまざまな問題のバランスを考えるということも同じくらいに重要なのです。
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ひとりの人間にできることはかぎられていますから、人生を多面的に見れば、ひとつひとつの悩みは相対的に小さくなります。それは努力を怠ることでも、問題から逃げることでもありません。
むしろ、「ひとつの悩みだけに執着する」ことは、「ほかの問題をおろそかにする」ことになってしまうのです。

友人に嫌われてしまったと悩んでいる人は、こう自分に問いかけてみましょう。
「私の価値は、その人に好かれるかどうかで決まるのか」
同僚が先に出世して落ち込んでいる人は、こう自分に問いかけてみましょう。
「私は、その人に勝つために生まれてきたのか」
私たちの人生は、それほど単純ではありません。なすべきことは、ほかにもたくさんあるはずです。

学校の試験で、分からない問題があったときは、できる問題から解いておいて、最後に時間があまれば分からない問題に取り組む、というふうにしたはずです。
分からない問題ばかりにかかずらって、解ける問題まで解けずに時間切れになってしまったのでは、全力を尽くしたことにはなりません。

人は悩みながら成長するものです。悩むことは悪いことではありません。
悩みから抜け出せずもがき苦しんでいる人の問題の根本は、悩みを解決できないことではなく、それ以外の幸せや生きがいを見いだせないことです。
悩みのもとを完全に取り去ることはできなくても、「気にしない」ことで心が穏やかになるならば、それも立派な解決法なのです。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.220-229
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