No.210『自分を大きく見せる必要はない』

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他人の自慢話は、話半分に聞いておくぐらいがちょうどいいと言います。
これまでに10人の異性と付き合ったと言えば、そのうち半分くらいは数週間程度の付き合いの人も含まれているでしょうし、有名人と子供のころ友達だったと言えば、実際はただの顔見知り程度のものでしょう。
自慢とは、自分をよく見せるためにするものですから、どうしても大げさになってしまうものです。

自分に自信のない人は、他人からバカにされることを怖れて、ゴテゴテと自分を飾って見せようとしてしまいます。
しかし、そもそも自分をよく見せようとすることが、自分に自信がもてない原因なのです。
できないことをできるように見せかけようとするから、「本当の自分が知られたらどうしよう」と怯えてしまうのです。

精一杯背伸びをして自分を大きく見せることでは、けっして本当の自信はえられません。
背伸びをした状態で走ることはできないのです。全力で走るためには、しっかり地面に足をつけておかなければなりません。
地に足をつけて全力で走っても、他人に勝てないこともあるでしょう。しかし、背伸びをしても速く走れるわけではありません。自分の実力で勝負するしかないのです。

自分に自信をもつ方法は、つねに8割ぐらいの自分を見せておくことです。
他人から評価されようとして、ぎりぎりいっぱいの自分を見せてしまえば、それ以上に評価が上がることはなく、あとはボロを出さないよう不安に怯えることになるだけです。

「能ある鷹は爪を隠す」と言います。自信とは、自分の実力を他人に見せつけることではなく、逆に忍ばせることによって養われるのです。
8割の自分を見せておけば、つねに心に余裕を残しておくことができます。
しかし私たちは逆に、120パーセントの自分を見せようとしてしまいます。
それはちょうど、クレジットカードで借金をして、身の丈以上の生活をすることに似ています。そのツケはいつか払わなければならないのです。

けっして、努力することを否定しているのではありません。
自分を向上させるために、努力は続けるべきですが、見栄を張って他人に見せびらかすこととは別問題です。
実際の自分以上に見せようとする考えを捨てないかぎり、どれだけ必死に努力しても、実力が見栄を追い越すことはなく、自分に自信をもつことはできません。

人はたいてい、「もっとお金があれば、楽しい暮らしができるのに」と思っています。
しかし、お金が増えれば欲求は満たされるかというと、そうではありません。それどころか、お金が増えれば増えるほど、ほしいものも際限なく増えていくのです。
日本人が消費しているもののうち、人間が生きていくために本当に必要なものは、ごくわずかです。人はお金の大半を見栄や道楽や横着のために使っているのです。
この世に「満足している金持ち」はほとんどいないでしょう。

知識が豊富である、仕事ができる、会話がうまい、友人が多い……。
条件が高ければ、得をすることは多いでしょう。しかし、それはただ「自分が得をする」「自分が楽しい」といった次元の話にすぎないのです。人間の価値は、そんなことで決まるのではありません。
「人生を楽しむ」ということは、すばらしいことには違いありませんが、別にそういう人が偉いというわけではないのです。

人間にとって必要なことは、「困っている人を助けてあげる」「礼儀をわきまえる」「人の痛みが判る」など、小学校までに習うような基本的な心がけだけで充分なのです。特別な資格や才能は必要ではありません。
容貌、家柄、教養、肩書き、財産などの表面的な条件を取り払っても自分には価値があると思えることが大切であるし、他人に対してもそのような見方をしなければなりません。

自分の弱点を隠して他人と付き合っている人は、自分の条件を高く見せることで、レベルの高い相手と付き合えると思っているのではないでしょうか。
しかし、それはまったく逆で、自分の条件を高く見せようとすればするほど、付き合う相手の人間性のレベルは低くなっているのです。

「弱点を隠さなければ付き合えない相手」が、どれだけレベルの高い人間だというのでしょうか。
自分に自信がもてない人がすべきことは、「自分の条件を高めること」ではなく、「条件が高くなくても付き合える相手を選ぶこと」です。
「表面的な条件に関係なく、ありのままの自分を尊重してくれる人」が、本当に付き合うべき、レベルの高い人なのです。

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