No.155『損をしている人はいない』

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恋人が自分を真剣に愛してくれないと嘆いている人は、まず、自分が相手を真剣に愛しているかを見つめ直さなければなりません。
他人に要求するからには、自分も完璧にできていなければいけないのです。

人を愛するということは、相手の立場になって考え、相手の考え方を尊重し、相手の幸せを願うことです。けっして、「自分をどう扱ってくれるか」で相手を評価するということではありません。
「せっかく愛してあげているのだから、自分も愛されなくては損だ」としか思えないなら、自分の愛情も本物ではないのです。

相手がどれだけ愛してくれているかを考える前に、「よけいに愛してしまったほうが負け」という姿勢自体を改めなければなりません。
すなわち、「恋人が自分を愛してくれない」という不満は、そもそもの前提が間違っており、どれだけ悩んでも解決できない問題なのです。

職場の同僚が仕事がのろく、同じ給料なのに、自分はその人の分まで働かされて損をしている、という不満をもっている人は、いったいどれだけ損をしているのかを冷静に考え直さなければなりません。
もともとその人がいなかったならばと仮定すると、仕事がきついという不満はあっても、自分だけが損をしているという不満はもたなかったはずです。

その人がいてくれるおかげで、少しは自分の仕事が減っているわけですから、何も損などしていないのです。
よしんばなにがしかの損をしているとしても、地球上の何十億人の中で、たったひとりの人間と較べての損得が、それほど重大なことでしょうか。
よけいに仕事をすることよりも、いちいち同僚のことを気にかけ、ストレスをためこむことのほうが、よっぽど大きな損害ではないでしょうか。
元気な体で毎日働けるだけでも、おおいに感謝すべきことであるのに。

自分が損をしていることばかりを数え上げ、それをなくすことに多くの時間を費やして生きている人がいます。
ああしてほしい、こうしてほしい、あなたにはこれが足りない、と他人の落ち度を指摘し、それをただすことで自分は得をすると思っているのです。
しかし、それによってえられた「得」よりも、足りないものを数えてイライラし、不満だらけの人生を送ることによる「損」のほうが、はるかに大きいのです。

人は無力なものです。与えられたものの中で生きていくしかないのです。
それは、努力を放棄して悲観したり妥協したりするということではありません。授けられた幸せに最大限に感謝するという明るく前向きな考え方です。
過去に起こった出来事や自分の境遇を変えることはできなくても、その意味を変えることはできます。

人生において、すべてに100パーセント満足することは不可能です。幸せな人とは、何をもっとも優先させるべきかが判っている人です。
人間同士が互いに認め合うということは、価値観を完全に一致させるということではありません。そんなことは、おそらくどれだけ話し合いを重ねても不可能なことでしょう。
私たちにできることは、「人それぞれ、自分なりに優先させるべきものがある」ということを認め合うことだけです。

人生に与えられたさまざまのものは、もともとなかったのだと思えば、すべてが幸運な贈り物です。それらは喜びのために与えられたものであり、他人と較べて妬んだり見くだしたりするためのものではありません。
宝くじで100万円が当たった人が、「1億円を当てた人もいるのに、たった100万円しか当たらなかった自分は何て不幸なのだ」と嘆くのは、まったく愚かなことです。
この命自体が、どれだけお金を積んでも買うことのできない宝物です。
この世に生きている私たちは皆、それぞれに幸運であり、何ひとつ損などしていないのです。

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