No.132『悩みながら生きる』

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自分に自信のない人は、過去の失敗や恥をかいた経験をいつまでもくよくよと悩んでしまう傾向があります。
「くよくよするな」と言われても、「それができないから悩んでいるんじゃないか」と言い返したくなるでしょう。

悩みは、人間の健全な成長に欠かせないものです。自信を失ってしまう人というのは、悩み方が下手なだけなのです。
悩み方の下手な人は、「悩み苦しむことはいけないことだ」と思い込み、手っ取り早く解決しようとしてしまいます。そして無駄な努力を重ね、「自分はこんなに努力しているのに、なぜ苦しみから解放されないのか」と、よけいに悩みを深めてしまう結果となってしまいます。

まず、人間は一生悩みながら生きていくものだ、ということを認めなくてはなりません。
何の悩みもない人というのは、意志も欲望もない無気力な人だということになります。そんな薄っぺらい人間になっても仕方がありません。
絶望した人は悩みすらしません。生への欲求があるから、悩むのです。
過去の失敗をくよくよ悩むということは、自分が進歩した証拠です。「同じような失敗を繰り返さないように気をつけよう」ということに気づいた分だけ、失敗する前よりは確実に進歩しているのです。

人生にゴール地点はありません。すべては移ろいゆくのです。悩みは、ひとつ解決しても、次から次へと生じるものです。
悩んでいる時間を足踏みだと考えてはいけません。悩みながら歩き続ければよいのです。

くよくよと悩んでしまう性格の人は、一方では、自分から悩みをつくり出し、それに固執しようとします。悩むために悩んでいるのです。
そして、心の奥では、悩みから解放されて自由になることを怖れています。現在の悩みの原因が完全に取り除かれ、「さて、その後、どうしますか」と言われれば、何をしていいのか判らず、困ってしまうからです。
自分が漠然と感じている不安、虚しさの原因を何かに求めたいのです。「こういう悩みがあるから、自分は幸せを感じられないのだ」と思い込みたいのです。

くよくよと悩む人がもっとも怖れているのは、悩みの原因そのものではなく、「何の起伏もない無為な人生を送ること」です。無為で退屈な毎日を送るよりも、何かに悩んでいたほうが刺激があって、生きている実感を味わえるから、わざわざ悩みをつくり出そうとするのです。
無為に生きることを避けようとして悩みをつくり出しておきながら、皮肉にも、結局悩みばかりにとらわれた無為な人生を送ることになってしまいます。

人間の幸不幸は、その人のおかれた状況によるのではなく、プラスに目を向けるか、マイナスにとらわれるかによって決まります。マイナス面を埋め合わせることだけに人生の時間を費やしても、何も残りません。

悩むことがいけないのではありません。おおいに悩んでもよいのです。
ただひとつ、間違っている点は、「悩んでしまう自分はつまらない人間だ」と自信を失ってしまうことです。
悩みながら生きる人生は、けっして無意味ではありません。自分の心をごまかしながら生きることこそが、無意味な人生です。
悩みや苦しみは、私たちに「本当にしたいこと」を気づかせてくれるものなのです。

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