No.124『他人とほどよい距離をたもつ』

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他人から敬遠される人の代表格は、「自分を押しつける人」です。
友達なのだから、何でも相談してほしい。恋人なのだから、何でも包み隠さず話してほしい、自分を信用してほしい……。
一方的に友情や愛情を押しつける人は、たいてい、それが相手の負担になっているということに気づいておらず、ただ「仲よくしたい」という善意のつもりで行っているのです。

まだ付き合いの浅いうちから、「私と永遠の友情を結びましょう」などと要求されるのは、相手にとっては窮屈なことです。「私を裏切ると許さないぞ」と脅迫されているように感じてしまうのです。
しかし、友情を押しつけている本人は、それを好意だと思いこんでいるので、相手に拒絶されたときには、自分の純粋な気持ちが踏みにじられたように思い込んで、恨みをもってしまいます。

そういう経験を繰り返していくうちに、「どうせ私のことなんか、誰も相手にしてくれないんだ」と自信を失ってしまいます。他人に執着するか、逆に心を閉ざしてしまうかのどちらかに偏ってしまうのです。
もちろん、一生付き合えるような友人をもつことは素晴らしいことですが、それはあくまで結果として、後になって振り返るべきことです。
ある友人との関係が「一生続く友情」かどうかは、自分の一生が終わるときまで判りません。

今、互いの友情をはぐくみ、尊重し合い、感謝し合うことは大切ですが、それは押しつけて得られるものではありません。
「永遠の友情」というきれいごとにこだわるよりも、「長く付き合っていれば、そりが合わなくなることだってある」と気楽に考え、ほどよい距離をたもつほうが、結果的にはよい人間関係を結ぶことができるのです。

暴走族などの不良グループは、自分たちの間に厳しい戒律を設けます。しばられることを嫌って社会から抜け出したはずなのに、皮肉なことに、さらに厳しい掟で自分たちをしばりつけるのです。
そうやって自分たちをしばりつけるのは、互いを信頼していないからです。いつか他人は自分を裏切るに違いない、と警戒しているからです。
彼らは、他人を疑い、罰をちらつかせて脅迫し合うことの中でしか、人間関係を築けないのです。

「他人とのほどよい距離をたもつ」というのは、けっして「いつ嫌われてもいいように、はじめから深入りしない」という消極的な態度ではありません。
ここが、まさに多くの人が陥りやすい過ちです。自分の気持ちだけを一方的に押しつけず、相手の気持ちも考えながら相互に良好な関係を築いていくということです。
友情や愛情に「思い入れ」をもつのはよいことですが、「思い込み」はよくありません。

他人から嫌われたくないと思うのは、誰でも当たり前のことなのですが、その不安を他人に押しつけても、よけいに好かれるということはありません。
どれだけ不安に怯えても、嫌われるときは嫌われるのですから、同じことです。

むしろ、嫌われることを怖れれば怖れるほど、他人からはうっとうしがられます。そういう人は、自分のことしか考えていないからです。
「嫌われたらどうしよう」と不安に怯えるよりも、「嫌われたら、そのときに傷つけばいい」と気楽に考えるほうが、人間関係をより楽しむことができ、自分にとっても得なのです。

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