No.118『恋愛を楽しむ』

たかたまさひろの本 累計29万部

リラックスブック

こころのおそうじ

こころが休まる本

仕事一筋で生きてきた人が、定年退職後に暇をもて余し、「何か趣味でも見つけなければ」と、あれこれ新しいことに挑戦する、ということがよくあります。
しかし、たいていの場合、何も楽しめるものが見つからず、よけいに焦ってしまう結果となってしまいます。
「何かしなければ」と、義務感にかられて行う趣味など、心から楽しめるはずがないのです。
そういう人は、趣味さえも「自分が楽しむため」ではなく、「他人から認められるため」のものなのです。「趣味のひとつでもなければ、つまらない人間だと思われる」という不安から、いやいや行っているにすぎないのです。

恋愛も、仕事のように「きっちり完璧にこなさなければいけない」と思い込んでしまう人がいます。
いい年をした大人なのだから、恋愛ぐらいはするべきだ。相手が付き合ってほしいと言うのだから、それに応えなくてはならない……。本来は楽しいはずの恋愛さえも、そういう人にとっては「与えられた仕事」なのです。

仕事は、趣味と違って、はっきりと結果を残さなければ意味がありません。会社の営業の仕事で、ひとつも契約をとっていないのに、「それでも私は、人と話をしているだけで楽しいのです」とのんきなことを言っても、上司は認めてくれません。

中には、自分の仕事を心から楽しんでやっているという幸福な人もいるでしょうが、ほとんどの人は、お金を稼ぐため、肩書きや地位にしがみつきたいために、嫌なことがあっても我慢して仕事をしているのでしょう。
嫌だからといって簡単に投げ出すことができず、義務や責任がついて回るのが仕事というものです。

それに対して、外部から強制されなくとも、自分の内側から沸き上がる喜びによって行えるものが趣味です。
恋愛は、仕事ではなく、趣味だと考えるのがよいでしょう。
もちろん、気まぐれにいい加減な気持ちでやればいいというのではありません。本当に自分の好きな趣味なら、いい加減な気持ちでは終わらず、仕事以上に、とことんまで極めてみたいと思うのがふつうでしょう。

趣味で絵を描いている人が、うまい絵が描けなかったからといって、「ああ、自分はダメな人間だ」と落ち込んだりはしません。
プロの画家であれば、仕事を失う不安に怯えるかもしれませんが、趣味でやっている人は、不安を感じる必要などありません。そもそも好きで始めたことなのですから、「もっと勉強し、練習して、うまくなろう」と意欲が増すはずです。嫌なら無理をしてまでやることはないのです。

現在の恋愛に不満があるなら、自分の良心とプライドにかけて、嫌なものは嫌だとはっきり言うことは、けっしてわがままではありません。
自らの選択を放棄して、流されるままに生きておきながら、不幸をすべて他人のせいにし、不満ばかりを並べ立てているほうが、よっぽどわがままです。

恋愛に報告書を提出する義務はありません。
恋愛は、責任を果たすためにやるのでも、自分の評価を高めるためにやるのでもないのです。自分の意志で、自分で選択し、自分の喜びのために行うものなのです。

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