No.110『人生の物語を想像してみる』

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こころのおそうじ
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今回は、少し趣向を変えて、私が腹を立てたり、落ち込んだりしたときに行う気分転換の方法をご紹介します。
以下は、まったく架空の物語です。

私が小学校に上がったばかりのころの話です。
私は、友達と川辺で遊んでいて、足を滑らせ、川に転落してしまいました。
友達が大声で助けを呼んでくれ、たまたま近くを通りかかった男性が、橋から川に飛び込んでくれました。
しかし、その男性は、まったくのカナヅチだったのです。折からの大雨で川は増水しており、男性は、必死で私を岸辺に救い上げた後、力尽きて流され、亡くなってしまいました。
男性は当時、25歳。結婚を3ヶ月後に控えて、幸せの絶頂の中、自らの命もかえりみず、私を助けてくれたのです。
以来、私は、男性の毎月の命日には、かかさずお墓参りをしています。

私は、心が塞いだとき、この話を本当に自分の身の上に起こったことだと想像します。そのたびに胸が熱くなり、くだらない悩みや怒りなど簡単に吹き飛んでしまいます。

もし、自分の命が、誰かの命と引き替えに得られたものだとしたら……。今、生きて呼吸をしているというだけで、感謝と喜びの気持ちでいっぱいになります。
もともと死んでいたのだと思えば、人生に起こることのすべてが授かりものです。
奇跡のような幸運で救われた命に感謝し、いかにそれを活かすかということだけを考えて生きればよいのです。

人に嫌なことを言われた、恋人が自分に気を遣ってくれない、仕事がつまらない、友人の態度が気に入らない……。
そんなことでいちいち苛立ったり落ち込んだりしていることが、バカバカしく思えてきます。
私の命は、そんな不満を並べ立てるためにあるのではない。人生の時間をもっと有意義に使わなければならない。くだらないことで悩んでいる暇などないのだ。
そう思えてきて、必ず心がスーッと軽くなります。

誤解を怖れずに言えば、私たちが日頃抱いている悩みというもののほとんどは、「どうでもいいこと」なのです。こだわるから苦しいのです。
「世の中も他人も、自分の思い通りになるべきである」と考えているから、思い通りにならないことに腹が立つのです。
悩みが解決されるのは、外部の障害が取りのぞかれたときではなく、自分がその障害へのこだわりを捨てたときです。
楽しいこと、明るいことに目を向けていれば、くだらない悩みや怒りなどどうでもよく思えてくるのです。

生きる目的が判らない。自分に自信がもてない。他人にどう思われているかが気になって仕方がない。
そういう方々も、ぜひ、この架空の物語を自分にあてはめてみてください。
自分の犠牲になって死んだ人のためにも、どう生きるべきか。自分はどういう人生を歩みたいのか。心の奥から、抑えきれないほどの衝動が沸き上がってくるでしょう。
生きることの本質とは、自分を大切にするとは、どういうことか。次第にその答えが見えてくるはずです。

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