No.107『いわれなき罪悪感を捨てる』

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「成功不安」という言葉があります。人生において成功することは、喜ばしいことのはずですが、いざ自分が成功しそうになると、なぜか不安になってしまうのです。
試験のために猛勉強し、満点をとれるはずなのに、わざと間違った解答をしてしまう。理想的な恋人をえて、幸せの絶頂であるのに、自分から別れを告げてしまう……。
成功することを求めて努力してきたのに、心のどこかで、「私は成功してはいけない、幸せになってはいけない」とブレーキをかけているのです。

そういう人は、「子離れできない親」に育てられた可能性があります。
典型的な例が、息子をマザコンにしてしまうような母親です。息子の成長を願い、「早く結婚して一人前になりなさい」と口先では言っているのですが、本当に息子が結婚して独立しようとすると、あらゆる手を尽くして、それを邪魔しようとするのです。

子離れできない親は、我が子から必要とされ、頼られることが生きがいなのです。「私がついていなければ、この子はダメなんだから」と思いたいのです。
子供の長所よりも、欠点ばかりに目を向けさせようとします。表向きは子供の成長を願うふりをして、一方では、自信を喪失させるために、巧妙に劣等感を植え付けるのです。
見事に術中にはまった子供は、「親の期待に応えられない自分は、情けない人間だ」と深い罪悪感を抱いてしまいます。

そういう子供は、幼いころから、自分が成功すれば親が不機嫌になることを敏感に感じとっています。
毎日のそういう積み重ねにより、子供の心には、「親の愛情を受け続けるためには、何らかの落ち度が必要である。自立してしまえば、親の庇護を受けられなくなる」という不安が生じます。
やがて、自分でも気づかないうちに、「幸せになると、他人から見捨てられてしまう」という誤った考えが固まってしまいます。

いわれのない罪悪感、劣等感に苦しめられている人は、勇気を出して、「幼いころの嫌な記憶」を思い出してみてください。
大人に言われて、悲しかったこと、つらかったこと、悔しかったこと……。何の悪気もないのに、「自分は悪い子だ」と思い込まされたこと……。
その嫌な思い出のほとんどが、自分の責任ではなかったことに気づくでしょう。

幼い子供が、自らの確信的な悪意によって悪事をはたらくことなどありません。その罪悪感は、強制的に植え付けられたものです。
未熟な親は、子供のはつらつとした無邪気さに嫌悪感を抱きます。自身も子供のころにそれを抑えつけられて悔しい思いをしたので、無意識のうちに、「しつけ」という口実を用いて、同じように子供を抑えつけようとするのです。

本当に自分の責任ではなかったことを、はっきりと「自分は悪くない」と思うことは、まったくわがままではありません。もしわがままだと思うのなら、それもまた、いわれなき罪悪感が染みついてしまっている証拠です。
「自分は悪くない」とはっきり主張できる人は、本当に自分が悪いと思ったときには、素直に反省する謙虚さをもち合わせています。
何よりも重要なことは、「自分の頭で判断する」ということなのです。

自分の責任ではなかったことで悩むのは、もうやめましょう。
だからといって、自分を苦しめた人を恨んでも、何も始まりません。人を恨むということは、まだその人に心をコントロールされていることを意味します。
無意味なことに心のエネルギーを使うのをやめて、有効なことに使いましょう。それが、自分を大切にするということです。

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