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No.106『愛することは選ぶこと』

誰にでも、異性の好みのタイプというものがあります。
よい恋愛をするための第一条件は、しごく当たり前のことですが、自分にとって理想的な人、本当に好きになれる人を選ぶということです。

しかし、この順序を間違ってしまう人がいます。
まず適当に相手を選んでから、その人を自分の理想の型に押し込めようとするのです。
自分で選んだ相手なのに、「なぜ〜してくれないの」「こういうところが気に入らない」などと、相手を責めてばかり。
「自分だけが損をしている」という被害者意識が強く、相手を疑い、警戒し、傷つけられないように自分を守ることに精一杯で、恋愛を楽しむ余裕などまったくないのです。
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そういう人は、「自分は相手を尊重していないのに、相手には自分を尊重することを強要している」という自己矛盾に気づかなければなりません。
「私のほうが付き合ってあげている」と思い込もうとする優越欲求が、苦しみを生み出すのです。

恋愛の喜びは、互いを認め合うことにあります。
「相手が私を裏切るような行動をとるから、認めたくても認めることができないのだ。悪いのは相手のほうだ」と思っている人がいるかもしれません。しかし、そういう押しつけが、そもそも相手を認めていないことを意味しているのです。
相手が悪いのが事実だとしても、自分も相手を認めていないのですから、相手が自分を認めてくれないといって文句を言う権利はありません。

それほどまでに人間性が疑われる人と、なぜ付き合う必要があるのでしょうか。
恋人をどうしても人間として尊敬できない、信頼できない、欠点が許せないというのなら、まずすべきことは、相手を非難することではなく、「もっと条件のよい人を選べるように、自分を磨く努力をする」ということです。

シビアな言い方ですが、愛することは選ぶことです。
どういう理屈で考えても、「好きでもないのに、いやいや付き合ってあげている」などということはあり得ません。恋人同士のレベルは、つねに対等です。お互いに「付き合ってもらっている」のです。

恋人の人間性のレベルは、そのまま自分自身のレベルを映す鏡です。
恋人を非難し、憎んでしまう人は、相手の中に映し出される自分を見るのが怖いのです。
相手の欠点を責めれば責めるほど、「そんな相手しか選べない自分」が情けなくなり、それをごまかそうとして、ますます相手への憎しみを募らせてしまいます。
自分は相手を憎んでいるのに、そんなに憎んでいる相手にさえも「認められたい」という依存心をもっている、という相反する感情が自分を苦しめるのです。
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もともと赤の他人同士だった人と付き合うのですから、考え方の違いに戸惑うこともあるでしょう。自分にとっての常識が、相手にとっては常識ではないこともあります。
恋人と付き合う以上、いろいろ不満が生まれることもあるかもしれません。しかし、ひとつ忘れてはならないことは、「その人と付き合うこと自体は、誰かに強制されたわけではなく、自分で決めたのだ」ということです。

恋愛にまったく喜びや幸せを見いだせないのなら、選ぶ相手を間違っていたのです。
道を間違えてしまったのなら、やみくもに突き進むのではなく、いったん引き返すのが良策です。

よい恋人を選ぶための秘訣は、「何も要求しないこと」です。相手に何も要求しなければ、すべての異性を恋人候補に選ぶ可能性が残されています。
もちろん、あくまで「可能性」というだけです。何も要求しないからといって、皆から愛されるわけではありません。
しかし、自分を選んでくれるかどうかは相手が決めることであり、どうせ他人の心を強制的に変えることはできないのですから、同じことなのです。

「何も要求しないこと」によって損することは、何ひとつありません。
「要求しなければ、愛を得られない」のではなく、「要求しても、愛は得られない」のです。

「ああしてほしい、こうしてほしい」とわがままな要求をしても、しょせん、「そんなわがままな人しか選べない人」が寄ってくるだけです。
何も要求しないほうが、恋人の対象範囲は格段に広がります。その中で、自分を選んでくれた人がいたら、心から感謝し、精一杯の誠意を尽くせばよいのです。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.100-109
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