No.097『位置ではなく、向きが重要』

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たまたま不運な境遇に生まれた人は、たくさんいます。家が貧しかった、親に愛されなかった、身体的欠陥がある……。
しかし、不幸とは、不運な現実そのものをいうのではありません。不幸とは、「自身の不運を受け入れることができず、もがき苦しむこと」をいいます。

人は、与えられなかったものに執着し、劣等感を埋め合わせるために、それを過度に求めてしまいがちです。貧しかった人はお金に執着し、愛を得られなかった人は愛に執着します。
それは、本当の幸せを求めているのではなく、自身の不安をごまかそうとしているにすぎません。
どれだけ走っても、走っても、ゴールは見えず、精神は疲れるばかりです。

人間にとって大切なことは、「位置」ではなく、「向き」なのです。
「自分の人生は、こんなはずではなかった」と、自身の不運を認めることができず、逃げてばかりいる人は、永久に幸福にはなれません。
不運な目にあったときには、そこから逃げようとするのではなく、まず、「こういうことも起こりえるのだ」と、自分の置かれた位置を冷静に認めなくてはなりません。

経験を積み、成長すれば、つらいことや悲しいことがなくなるわけではありません。
どんなに心の豊かな人でも、悲しい目にあうことはあるし、世の中の理不尽に憤慨することもあるし、他人から裏切られることもあります。予期せぬ不運に見舞われ、どん底に突き落とされることもあるでしょう。
しかし、現在の自分の位置がどこであろうとも、自分が望む自分の姿を心に描くことができていれば、迷ったり悩んだりすることはありません。

どれだけ努力しても達成感を得られず、つねに自分に不満を抱いている人は、虚栄心と向上心をはき違えているのです。
不運を不運としていさぎよく受け入れることは、けっして幸福の妨げにはなりません。
「どれだけ高く上ったか」ではなく、「どちらの方向を向いているか」ということに意味があります。
たとえどん底の状態にあっても、自分のあるべき姿が判っている人は、幸せです。

「位置」は変わらなくとも、「向き」を変えるだけで人生は大きく変わります。
世界中の高級料理を食べ尽くして、どんなうまい料理にも舌が満足できなくなってしまった人と、一杯のご飯のありがたみを噛みしめながら食べられる人と、どちらが幸せでしょうか。
本当に幸せな人とは、特別な幸運に恵まれた人のことではなく、「当たり前のことに喜びを感じられる人」のことなのです。

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