No.088『適度ないい加減さも必要』

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こころのおそうじ

こころが休まる本

好きな人がいるのに、なかなか気持ちを打ち明けられない。
いきなり告白して、変に思われないだろうかと不安だ。
相手が自分をどう思ってくれているのかが判らない。
相手の前に出ると、どぎまぎして、何も話せなくなる。

このように悩んで、なかなか恋愛の第一歩を踏み出せずにいる人は、よく言えば純情で謙虚ですが、悪く言えば、自分を格好よく見せようという気持ちが強すぎる高慢な人だと言えます。

何ごとも、完璧主義に陥ってしまっては、自分を苦しめるだけです。
恋愛に臆病な人は、まず「相手が自分に好意をもってくれているか、どうか」をはっきりさせなければ何も始まらない、と思い込んでいます。
「自分は相手に好かれている」という確実な安心感が得られなければ、恋愛に踏み込めないのです。
しかし、実際に恋人同士として交際することになっても、ときにはケンカをしたり、意見が食い違ったりして、一時的に相手の顔も見たくないと思うこともあるでしょうし、逆に、相手から反感をもたれて悲しい思いをすることもあるでしょう。

愛情に絶対確実な保証を求めることは不可能です。まず、「人の気持ちなどというものは、移ろいやすいものなのだ」ということを受け入れなければ、恋愛を始めることはできません。
言ってみれば、世の中に確実なものなど何ひとつありません。明日の自分の命だって、まったく保証はないのです。

明日、交通事故で死ぬかもしれませんし、不治の病に冒されるかもしれません。だからといって、きょう、幸福に向かって歩み始めることが無意味だと言えるでしょうか。
恒久的な安定を求めれば求めるほど、現在の安定感を失ってしまうという皮肉な結果に終わってしまいます。

生きている人間同士の感情のもつれ合いは、イエスかノーか、ふたつにひとつとはっきり割り切れるものではありません。
関係がよいときもあれば、悪いときもある。楽しいときもあれば、つらいときもある。揺れ動きながら進行していくものです。
山あり谷あり、ギザギザのカーブを描きながらも、全体的には少しずつ上昇していれば、それでよいのではないでしょうか。

はじめから完璧を目指し、気を張りつめていては、自分も相手も疲れてしまいます。
人付き合いとは、あくまで「楽しむためにするものである」ということを忘れてはいけません。結果ではなく、過程そのものに意味があります。
今、相手が自分をどう思ってくれているかが判らないのなら、これからよい関係を築く努力をすればよいのです。
「まず、できることからスタートする」という気持ちが大切です。

完璧主義の人は、「つねにポジティブでなければならない」「怒りや嫉妬など、みにくい感情を抱くことは許されない」などと、堅苦しく自分を律してしまいがちです。
しかし、人間は誰も、そんなに完璧にはなりえません。
自動車のハンドルに「遊び」がなければかえって危険であるように、人間の心にも、適度ないい加減さが必要です。
明るい性格の人でも、他人の何気ない一言で落ち込んだり、腹を立てたりしているものです。しかし、明るい人は、それをいつまでも引きずらず、気持ちを切り替えるのが早いのです。

悲しいこと、つらいことがあって落ち込んだときは、「心が風邪を引いている」ぐらいに軽く受け入れて、落ち込んでいる自分を客観的に、冷静に見つめましょう。
「落ち込んではいけない、暗くなってはいけない」などと堅苦しく考えていては、いつまでも気持ちの整理がつきません。
ときには暗く落ち込んだり、恋人との関係が気まずくなったりしてもかまいません。つねに完璧を維持することなど不可能なのです。
人生は、「いいこともあれば悪いこともあるけど、平均すれば、まずまず幸せ」なら、それでよいのです。

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