No.038『状況を区別して判断しよう』

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高所恐怖症の人は、ビルの高層階で、完全に閉め切った窓から外を見るだけでも、足がすくんで腰を抜かしてしまいます。
絶対に落ちる危険のない状況なのに、いったい何に対して怖がる必要があるのかと、普通の人は疑問に思います。

建築途中のビルの鉄骨の上を渡れと言われれば、高所恐怖症の人でなくとも、誰でも怖いはずです。それは現実に落ちる危険があるからです。
本当に危険なことを怖れるのは、人間の防衛本能として当然のことです。しかし、不安の強すぎる人は、危険性のあるものとないものを区別せず、似たような状況のものを何でも一緒くたにして怖がってしまっているのです。

普通に生活していて、高い所から落下するなどという危険な目にあうことは、まずありません。よほど特別な状況です。
高所恐怖症の人は、特別な状況を一般化して、「高い所」イコール「怖い所」という不安にとらわれてしまっているのです。

他人と付き合うのが怖いという人は、ある特定の人からひどく傷つけられた経験をしたために、「他人は皆、自分を傷つけるに決まっている」と思い込んでしまっています。
もちろん、世の中には、平気で他人を傷つける心無い人もいます。傷つけられれば、誰だって悲しいし、つらいものです。

しかし、だからといって、「すべての人は心が冷たい」と一般化するのは間違っています。善い人もいれば悪い人もいる、というだけのことです。
悪い人に傷つけられたなら、運が悪かったと思って、今度はできるだけ善い人を選んで付き合うようにすればよいのです。

劣等感の強い人は、他人から批判されることを極度に怖れます。
他人が善意でその人の間違いを指摘してあげたとしても、その内容については問題にせず、ただ「批判されるということ」を怖れ、腹を立てます。
過ちを指摘されたからといって、自分の全人格を否定されたわけではありません。
ただ過ちを指摘された、というだけのことです。

すべての点において完全に正しいという人はいませんし、完全に間違っているという人もいません。
「良いところは良い、悪いところは悪い」と区別して考えればよいのです。

人生には、嬉しいこともあれば悲しいこともあります。好かれることもあれば嫌われることもあります。
「たまたま悲しいことがあった」「ある人に嫌われた」という特別な状況を一般化して、それがすべてであるかのように考えてはいけません。

ふだん自分が不安を感じていることについて、それが本当に危険なものであるのかどうかということを改めて検証し直してみてください。
本当の危険からは身を守らなければなりませんが、案外、「閉め切った窓から落ちることを怖れる」ように、自分の勝手な思い込みである場合も多いはずです。

危険なこととそうでないことをきちんと区別する習慣が身につけば、怖いものはほとんどなくなるはずです。死ぬほどの恐怖を感じる危険など、一生のうちでそう何度も遭遇するものではありません。

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