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No.037『自分を罰することをやめよう』

人は、他人に受け入れてもらえず、不満を抱いたとき、他人を罰するタイプと、自分を罰するタイプの二通りに分かれます。
誰にでも、どちらかの傾向があるものですが、度が過ぎてしまうと、人格にさまざまな問題が生じてきます。

相手を攻撃する外罰型の人は、「自分がそんな性格だからこそ愛されないのだ」ということは誰の目にも明らかです。
当人もその点は自覚しているのですが、ただ克服する勇気がなく、ごまかし、強がっているだけなのです。当人がいつ、「生まれ変わろう」と目覚めるか、それだけが問題です。
問題点が明白である分、解決策も見えやすいと言えるでしょう。

解決が難しいのは、内罰型の人です。
自分を罰するタイプの人は、「どうせ自分は、価値のない人間だ」と言っておきながら、心の底では自分が悪いとは思っていません。
やはり他人が悪いと思っている点では、本質的に外罰型の人と同じです。
あからさまに他人を批判するのはみにくいことだと判っているので、「自分はこんなにも傷ついている」と示すことで間接的に他人を批判しているのです。何も言わなくても他人は自分の気持ちを察するべきだ、と主張しているのです。
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しかし、いくら他人を批判しても、やはり自分自身が変わらなければ、何も解決しません。
当人はそれを自覚していないので、なかなか問題の核心が見えず、ますます意固地になって、解決の方向性すら見出せずに苦しむことになります。

自分自身を愛せない人は、他人を拒絶しておいて、それを非難されると、「ほら、人間なんて皆、冷たいじゃないか」と内心では安心感を得ます。
自分が心の冷たい人間であるという劣等感をもっているので、「冷たいのは自分だけではない。他人だって冷たいのだ」ということを確認したいのです。

そして、他人を拒絶する一方、自分を無条件に愛してくれる人を求めています。
自分が相手のご機嫌を取ったり、精一杯の努力をしていたり、という条件のもとで受け入れてもらっても、安心できないのです。
だから、「他人に私の気持ちが理解できるはずがない」と突っぱね、相手を試そうとします。
他人から優しくしてもらっても、容易には心を許しません。「自分は相手を拒絶しているのに、それでも相手は自分を愛してくれる」というほどの大きな愛情が得られなければ満足できないのです。

「自分は価値のない人間だ」と言うのは、本当は、「そんな自分さえも受け入れてほしい」という心の叫びです。他人への怖れと嫉妬からくる遠回しな表現が、よけいな誤解を生み、ますます溝を深めてしまいます。
自分を罰するのも、他人を罰するのと同じくらいに浅ましいことです。他人であれ、自分であれ、「人間が人間を罰する」ことなどできません。

何か悪いことをしてしまったときに、謙虚に反省することは必要です。反省とは、自分を真摯に見つめ直す前向きな態度です。
対して、「どうせ自分なんて」と自分を卑下するのは、謙虚さではなく、開き直って問題に直面することから逃げているにすぎません。

どんなにつらくても、やはり自分自身も含めて人間を愛することによってしか、救われる方法はないのです。
(おわり)

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こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.030-039
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