No.030『身の丈に合った交友範囲をもとう』

たかたまさひろの本 累計29万部

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携帯電話とプリクラが、特に若者の間で急速に普及した背景には、大きな共通項があります。
携帯電話もプリクラも、「自分には、友達がたくさんいて、楽しい人生を送っているのだ」と見せかけるための小道具であるという点です。

携帯電話のメモリーに何件の友人の名前があるか、どれだけ多くの友人とプリクラ写真を撮っているか、が自分のステイタスの象徴なのです。
また、友人の前で、「私の友人は、別にあなただけじゃないのよ」と見せつけて優越感に浸ることもできます。
逆に、「自分だけが持っていなければ、友人の少ないつまらない人間だと思われるのではないか」という不安を抱いてしまっています。

もう、無意味な意地の張り合いはやめにしましょう。
交友を広げること自体が悪いというのではありません。ただ、必要以上に広げすぎることは、まったく意味のない、虚しいことです。
ひとりの人間が付き合える範囲には、限度があるのです。

高校生の電話代が月に1万円以上もかかっているなどという話を聞くと、胸が痛むほどの悲しみを覚えてしまいます。
街じゅうで鳴り響く携帯電話の着信音は、「淋しい、淋しい」という泣き声のように聞こえます。
他人と腹を割って向き合うのが怖いから、ますます携帯電話やメールに頼り、見えない相手と意味のない会話をやり取りして、「私たち、孤独なんかじゃないよね」と必死で互いを慰め合っています。

コミュニケーションの道具であるはずの電話が、人間同士の本当のつながりを希薄にしています。
そのうち、機械を通さなければ他人と会話ができないという人がでてくるのではないでしょうか。
本来、人間は、他人の目付きや顔色や声の調子から、相手が何を考えているかを想像し、相手との距離の取り方を学んでいくものです。

電話会社のCMで、家族や恋人たちが携帯電話やメールで「心を通い合わせている」姿を見るたびに、筆者は疑問に思います。
「そんな大切なことを、なぜ会ったときに直接言わないのか」と。

仕事でどうしても必要というのでなければ、思い切って、携帯電話を捨ててみませんか(メーカーの方がいらっしゃったらすみません……)。
それで友人が離れていくなら、そんな友人は放っておいて結構です。もともと、本当の友人ではなかったのですから。

はじめのうちは、やり場のないほどの孤独を感じることでしょう。しかし、それでいいのです。
これまで意識の奥に封印してごまかしてきたことを、ようやくはっきりと実感した、というだけのことです。
いくらごまかしても、どうせ孤独は孤独なのです。今こそ、自分の心と正面から向き合い、自分と対話してください。

怖れることはありません。自分の孤独を認めることで、あなたが不幸になることは絶対にありません。
むしろ、表面的な人付き合いで孤独を紛らわしている人の方が、よっぽど不幸です。

やみくもに他人を求めず、孤独を楽しんでいる人の方が、かえって他人から必要とされ、多くの友人に囲まれることになるのです。
そういう人は、他人にあれこれ要求しないので、付き合う側も楽なのです。

人付き合いとは、不安に突き動かされてするものではなく、純粋に喜びのためにするものです。
あなたは、人付き合いを心から楽しんでいますか? 自分の胸に正直に問いかけてみてください。

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