No.012『優しさを見極めよう』

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「恋人が、以前は優しかったのに、この頃、冷たくなった」
よく聞かれる嘆きですが、たいてい、そういう人たちのいう「優しさ」とは、自分を褒めてくれる、自分を気遣ってくれる、自分にプレゼントをくれる、という程度のものです。

もちろん、そういう優しさも不可欠ですが、それは本来、人間としての優しさではありません。
誰だって、恋の始まりの頃は、相手の気を引こうと努力します。
肉体関係だけが目的のプレイボーイでも、女性を口説き落とそうと思えば、どんなに優しい言葉だって吐くし、女王様に仕えるように気を遣うでしょう。
セールスマンが、商品を買ってほしいばかりに、客をもち上げるのと同じです。

褒められたり、気を遣ってもらったりすれば、気分がいいものですが、「自分を気分よくしてくれる」ということだけで、「この人は優しい人だ」と思い込んではいけません。
「自分に優しくしてくれるから好き」といった程度の恋愛は、意地悪な言い方ですが、相手に飽きられてしまえば、それで終わりです。

もちろん、相手の気持ちを推し量るということは、重要です。自分の感情や都合だけを押し付けてはいけません。
しかし、「相手にどう思われるか」ということだけが、恋愛のすべてではありません。

相手の心ひとつにゆだねてしまうという、主体性のない恋愛は、つまらないものです。
いずれ、相手の心変わりに怯え、嫉妬に苦しまなくてはならなくなります。

相手が簡単に心変わりをするようなら、しょせん、その程度の人間だったということですし、そんな相手しか選べなかった自分も同レベルの人間ということです。
そういう恋愛と失敗を繰り返している人は、一度、恋人の選び方について、考え直してみたほうがいいでしょう。

どちらが主導権を握るか、などという問題ではありません。
ともに、「自分の責任において、自分の意思で、この恋愛に参加している」という意識が重要なのです。
恋愛ドラマの観客になってはいけません。自分が脚本家となり、シナリオを書くのです。

「愛するとは、互いに見つめあうことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」とは、サン・テグジュペリの言葉です。
「私だけを見て」というのではなく、「ともに歩いていこう」という関係こそ、人生のよきパートナーとなりえるでしょう。

一度、相手を自分と切り離して考え、ひとりの人間として、判断してみてください。
「自分をどう扱ってくれるか」とは関係なく、相手の人格を総合的に見て、それでも好きだと思うなら、その恋はおそらく、長続きします。

No.010 - 019
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