No.011『怒りを乗り越えよう』

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「ひとつ屋根の下」という、大ヒットしたテレビドラマがありました。
過去のあやまちの許しを乞う人に向かって、登場人物のひとりが言ったセリフが、とても印象的でした。
「許すも許さないも、人間はそんなにえらくない」

自分を傷つけた人を許すことは、非常に難しいことです。頭では判っていても、なかなかできることではありません。
しかし、許すという行為でさえ、実は、意識の奥に多少の横柄さを含んでいるのです。
「許すか許さないかは、完全に自分の選択にかかっている。今回は、許してやるから、ありがたく思え」と、人を裁く神にでもなったような気になり、相手を見くだしていると言えなくはありません。

もちろん、憎んでいる人を許すということは、大変な勇気のいる、すばらしい行為です。
その「許す」ということさえ、見方を変えれば、ふてぶてしいことなのです。
「絶対に許せない」などというのは、ごう慢以外の何ものでもありません。

人格に問題のある人は、必ず、心の中に、誰かに対する激しい怒りを抱えています。
それは、あまりにも耐えがたい苦しみなので、抑圧し、意識の奥に閉じ込めようとして、ついには本当に忘れてしまうことさえあります。
しかし、いくらごまかしても、無意識の中の怒りの感情が消えたわけではなく、いつまでもくすぶり続け、表の意識をむしばんでいきます。

人を許すことができず、心に怒りを抱えている人は、どうかあのセリフを思い出してください。
「許すも許さないも、人間はそんなにえらくない」
他人を許すことができないなどと言う権利のある人は、この世にひとりもいないのです。

「他人のあやまちを許せない」という人にかぎって、自分のあやまちには目をつぶり、簡単に許してしまうものです。
人間は、一生かかっても、完璧にはなりえません。死ぬまでが修行といえます。
つねに自分をかえりみて、反省し、向上しようとつとめていれば、他人を批判する暇などないはずです。

人を許せないのであれば、仕方ありません。もう充分です。こだわるのはやめましょう。
人を裁くという行為は、神や仏にしかできないことです。
許すも許さないも、ありません。そういうものを超越した、新たな境地を切り開きましょう。あなた自身のために。

自分を傷つけたのも人間ならば、喜びを与えてくれるのも人間です。
これまで、怒りで目がくらんで見えていなかった、人の優しさ、温かさに触れることができるでしょう。
「愛」は、「怒り」よりもはるかに強力な、自分を守る武器となるのです。

No.010 - 019
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