ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

イライラ、ムカムカ、カリカリ…自分の気持ち持て余していませんか?読むだけで嫌な気持ちがなくなります

No.001『してあげたことを忘れよう』

「私はあの人に、これだけのことをしてあげたのに」
ということは、人は、細かいことまでよく覚えています。
その代わり、人にしてもらったことは簡単に忘れてしまいます。

夫婦や恋人同士のいさかいの多くは、「してあげたこと」と「してもらったこと」の不釣合いへの不満から生まれます。
誰でも、自分が人にしてあげたことは重大なことに感じますが、人にしてもらったことは軽くみてしまいがちですので、釣り合いがとれるはずがないのです。

「こうしてほしい」という要求には、きりがありません。
「こうしてくれてありがとう」という感謝にこそ、愛の喜びがあります。

彼(彼女)に「してもらったこと」を、よく思い出してみてください。
「してあげたこと」は、すべて忘れることです。
公平にみて、それで、ちょうどいいくらいなのです。
(おわり)

No.002『幸せからスタートしよう』

愛される人は幸せです。
「愛されるから幸せ」なのではなく、「幸せだから愛される」のです。

幸せは、どこにあるのでしょうか。運のいい人だけが、たまたま手に入れられるものなのでしょうか。
いえ、人は誰でも、幸せになることができます。
人間の幸、不幸は、客観的な現実によって決まるのではありません。その現実をどう受け止めるかによって決まるのです。

末期ガンを宣告されたある人は、こう言いました。
「私は、ガンに冒されて幸いだった。もしも交通事故で一瞬のうちに命を落としていたら、愛する家族や友人に、最期に感謝を伝えられなかった」

もしもあなたが、「私は不幸だ」と嘆いているならば、それは、ばち当たりというものです。
不幸とは、「与えられたものへの感謝を忘れ、ないものばかりを数えて不満をいうこと」をいいます。

繰り返しますが、人は誰でも、必ず、幸せになることができます。
何か形のあるものを手に入れる必要はありません。幸せに気づきさえすればよいのです。
幸せは、人生のゴールではありません。スタート地点です。
幸せからすべてが始まるのです。

「他人に幸せにしてもらいたい」と願うのではなく、まず自分の幸せを認識することが、愛される一番の近道です。
幸せな人のまわりには、自然と人が集まります。
そして、幸せは人から人へ伝染し、ますます増幅していくことでしょう。
(おわり)

No.003『顔の筋肉を鍛えよう』

「人間は見た目ではない」といいますが、やはり、見た目は、自分をアピールする上で、とても大切なものです。

もちろん、鼻筋が通っているとか、やせているとか、背が高いとか、そういう外見のことをいっているのではありません。
美人やハンサムであるということよりも、もっと重要なことは、「いきいきとした表情をしているか」ということです。

整形手術の広告では、必ずといっていいほど、整形前の顔写真は無表情、整形後は満面の笑みで写っています。
もし、表情が逆なら、おそらく整形前の方が美しく見えるでしょう。
人の顔は、笑うだけで、無表情よりも何十倍も美しく見えるのです。

今日から毎朝、鏡を見ながら、ニッコリと笑う習慣をつけてみましょう。
顔の筋肉を笑顔に慣れさせるのです。顔の筋肉も、腕や脚と同様、鍛えなければ思い通りに柔軟に動かせません。
表情の豊かな喜劇役者は、毎日、顔の筋肉を動かす練習をしています。

いつも笑顔でいる人を見ると、誰でも、親しくなりたいと思うことでしょう。幸せな気分を分けてもらえるような気がするからです。
いきいきとした笑顔が、愛を呼び込みます。
(おわり)

No.004『相手の目を見て話そう』

相手の目を見て話す。
——あまりに言い古された言葉ではありますが、まだまだ、これを意識して実行されていない方も多いのではないでしょうか。

人は、嘘をついたり、隠しごとをしたりしている時は、相手の目を見て話すことができません。
相手の目を見ると言うことは、「私はあなたに完全に心を開いています」というサインなのです。
「この人は、真摯に私と向き合おうとしている」と、よい印象をもたれることでしょう。

目を見るといっても、じっと見つめ続けるのも変ですので、実際には、鼻のあたりを見ながら、時々ちらりと目を見るのがよいと思います。

恥ずかしいからといって、目をそらせてしまっては、相手の機嫌を害する可能性さえあります。
特に、目があった時に、横にそらしてしまうのは最悪です。相手を蔑視していると勘違いされても仕方がありません。
どうしても目をそらしてしまうなら、下にそらすべきです。これなら、単に恥ずかしがっているだけと見られ、マイナスの印象は与えないでしょう。

目を見ながら話すということは、自分の心からの誠意を示すということです。
どれだけ多くの言葉を並べるよりも、大きな効果があるでしょう。
(おわり)

No.005『小さなこだわりを捨てよう』

自分なりの信念、こだわりをもち、それを貫くことは重要です。
しかし、この「こだわり」というものは、なかなかの曲者で、頑ななまでの偏狭なこだわりは、視野をせばめ、人間関係においてさまざまなトラブルを招きます。

あなたの「こだわり」は、あなたの人間性を高め、人生を豊かにするものでしょうか。
そうでないなら、そんなこだわりは、すっぱりと捨ててしまうべきです。

自分の考えは絶対に正しい。自分をバカにする人は許せない。他人はもっと自分を尊重するべきだ……。
——つまらないこだわりは、自分の劣等感や不安を打ち消そうとする気持ちから生まれます。

他人のちょっとした言動に腹を立て、わだかまりがなかなか消えないときは、大きく深呼吸をして、胸の中でこう唱えましょう。
「つまらない人間ほど、つまらないことにこだわるものだ。自分は、決してつまらない人間などではない」と。

小さなこだわりを捨てれば、心に余裕が生まれ、ストレスも減少します。
他人を受け入れる広い度量をもてば、また他人からも受け入れてもらえます。

それは決して、主体性をなくして他人に迎合するということではありません。
水は、器に合わせて自在に形を変えますが、水という成分自体が変化するわけではありません。
水のように、柔軟に、しなやかに生きていきたいものです。

確固たるポリシーをもっている人ほど、他人の異なる考え方も認めてあげられるものなのです。
(おわり)

No.006『自分の欠点を認識しよう』

何らかのコンプレックスをもっているために、恋愛に対して積極的になれない、という人も多いでしょう。

しかし、コンプレックスは、はっきりと自覚していれば、悪いことではありません。むしろ、人間として正常な心理状態といえます。
いい部分も悪い部分もひっくるめて、それがひとつの人格なのです。

「欠点があること」よりも問題なのは、「欠点を認めないこと」です。
自分の欠点を認めようとしない人は、
(1) 他人の欠点も許すことができません。
(2) いつも不機嫌で、近寄りがたい人という印象を与えてしまいます。
(3) 自分の欠点を隠すことに精一杯で、成長がありません。

人間であれば、誰でも欠点をもっています。各々、その種類が違うというだけのことです。
皆、互いに許し、許され合っているのです。
「欠点があるから恋愛ができない」のだとしたら、世の中の誰ひとりとして恋愛などできないでしょう。

悪意のない欠点であれば、無理に直そうとする必要はありません。
自分を否定しようとすると、かえって自己嫌悪が強まり、ますます自信をなくしてしまうという悪循環に陥る可能性があります。
素直に欠点を自覚しさえすれば、それでよいのです。笑い飛ばすことができれば、もっと理想的です。
「他人は、それほど自分のことなど気にかけてもいないのだ」と、気楽に考えましょう。

取り繕い、飾った姿の自分を誰かに愛してもらったとしても、何の意味もありません。
今度は、幻滅されることへの不安に脅えなくてはならなくなります。

何より、あるがままの自分を受け入れることです。
自分を好きになれば、欠点など知らないうちに直ってしまうか、まったく気にならなくなるか、いずれにしても、自然によい方向に向かうことでしょう。
(おわり)

No.007『批判的な言葉を避けよう』

先日、筆者が電車に乗っていると、隣の席に若いカップルが座りました。
女性が、「私、いつも、朝ごはん食べてないの」と話すと、男性は、「ダメだよ、しっかり食べなくちゃ」。
「でも、ダイエット中だから」という彼女に、彼は、しつこく、「ダメだよ、ダメだよ」を繰り返すばかり。
彼女はついに、「わかったよ、うるさいなあ」と、ふくれてしまいました。

彼が、「体によくないから、しっかり食べた方がいいと思うよ」と、彼女を気遣う言い方をすれば、彼女からも、「ありがとう」という言葉が返ってきただろうに、と残念に思いました。

彼は、彼女を心配していったことなのでしょうが、その気持ちがまったく伝わらないどころか、逆に彼女の気分を害してしまいました。

私たちは、人を批判するつもりはないのに、つい無意識に批判的な言葉を使ってしまうことがあります。
「ダメ」「どうしてあなたは〜」……。
子供のころ、親や先生にいわれて、あんなに嫌だった言葉を、知らず知らずのうちに自分でも使ってしまっていませんか。

批判的な言葉を使い続けていると、相手から、「何となく、この人とは話をしたくないな」と思われてしまいます。
悪意はないのに、うとまれてしまうなんて、まったくつまらないことです。

「〜してはダメだ」というより、「こうした方がいいと思うよ」。
「どうして〜してくれないの」というより、「こうしてくれると嬉しいな」。
言い方を変えると、印象は大きく変わります。

日本語では普通、主語を省略しますが、主語を補って考えると判りやすいと思います。
「あなた」を主語にすると、相手を批判する内容となってしまいがちです。
「私」を主語にして、相手を直接批判するのではなく、自分の考え、気持ちを伝えるようにしましょう。
いい意味で、「自分中心」に考えるのです。
習慣づければ、難しいことではありません。
(おわり)

No.008『嬉しい気持ちを表現しよう』

人を愛すれば、自分も愛されたいと願うのは当然のことです。
しかし、「相手は自分のことをどう思っているのか」ということばかり気にして、臆病になったり、卑屈になったり、嫉妬に駆られたりしては、自分が辛い思いをするばかりでなく、相手にも負担を与えてしまいます。
身勝手な愛情は、思い通りにならなかったときには、憎しみ、恨みに変わります。

相手の立場になって考えてみてください。
「あなたは、私のことを愛してくれますか? 私を傷つけると許しませんよ」
と、取引でもするように、警戒しながら接してくる人のことを、好きになれるでしょうか。

「私はあなたのことが好きなのだから、あなたも私のことを好きになるべきです」という押し付けがましい態度は、まったくの逆効果です。
それは愛ではなく、「自分の自尊心を満たすために、他人を利用しようとしている」だけなのです。
人を利用し、支配しようとすることは、愛とはまったく対極の行動です。

あなたが他人に利用されるために生きているのではないのと同じように、他人もあなたに利用されるために生きているのではありません。
他人の心を、コンピュータに命令を与えるように操作することは、不可能です。
不可能なことにやっきになって、神経をすり減らしても仕方がありません。

人を愛するためには、強い意志とともに、開き直りにも似た淡白さも必要です。
恩着せがましく愛を要求すれば、相手はたいてい、息苦しさを感じて、離れていきます。
「あなたが私をどう思おうと構いません。ただ、私は、あなたの側にいて、あなたと話をすることが、嬉しくて仕方がないのです」
という態度の方が、はるかによい印象をもたれるのではないでしょうか。

素直に、無邪気なほどに、自分の好意を表現するだけでいいのです。
「自分と一緒にいることを楽しんでくれる人」を嫌いになる人は、まずいないでしょう。
自分にできるかぎりのことをして、後は、宝くじでも買ったつもりで、運を天に任せましょう。
(おわり)

No.009『不機嫌を抑えよう』

不機嫌は、あらゆる害悪のもとです。

子供は、不満があっても、それをうまく表現する言葉を持たないし、大人と対等にわたり合うこともできないので、すねたり、だだをこねたりするという手段を用いるのもやむをえません。

しかし、結局、不機嫌からは何も解決策は生み出されないし、むしろ事態を悪化させるだけであるということを学ぶことが、大人になるということではないでしょうか。
不機嫌の原因が他人のせいであっても(たいていの場合、他人のせいですが)、自分が不機嫌になるということが、子供じみた行為であることを認識すべきでしょう。

他人に腹が立ったとき、怒りにまかせて文句を言ったり、仕返しをしたりすることが、「他人に勝つ」ということではありません。
また、人を許すことは、「負けて引き下がる」ことでもありません。
そもそも、人間関係に勝ち負けなど存在しませんが、どうしても勝ち負けにこだわるなら、「どちらが大人か」という点で勝負すればよいのです。

嫌なこと、辛いことは避けられなくても、不機嫌は心がけ次第で避けられます。
「ムカツク」「キレル」などという言葉は、自分の甘えや弱さから出てくるものです。

不満があるなら、知恵をしぼって、前向きな解決策を考え出すべきでしょう。
それができない自分、いいたいことをはっきりいえない自分へのふがいなさが、ますます不機嫌を増幅させてしまうのです。自分をごまかしてはいけません。

誰も、不機嫌な人と仲良くしたいとは思わないでしょう。
ニコニコと機嫌よくしていれば、自然とまわりに人が集まってくるものです。
他人に媚びを売るというのではありません。媚びを売るのは、自分に自信のない人です。
笑顔で他人に接するということは、相手を尊重するということです。自信に裏打ちされた、精神的な強さが要求されます。

朝、目を覚ますと、まっさらな一日があなたを迎えてくれます。
さて、あなたは、今日という日を、にこやかに楽しく過ごしますか、それとも、イライラと腹を立てて、台無しにしますか。
(おわり)

このサイトの作者の本 累計34万部

リラックスブック

たかたまさひろ(著)

こころのおそうじ

たかたまさひろ(著)

こころが休まる本

たかたまさひろ(著)
ページの先頭へ