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たかたまさひろ(著)

こころのおそうじ

たかたまさひろ(著)

こころが休まる本

たかたまさひろ(著)

No.189『自己愛のバランスをたもつ』

——恋人のことが好きなのに、自分をかまってくれないときなど、たまに憎らしく感じることがある。
——成功した友人を素直に祝福することができず、内心では不幸になればいいのにと思ってしまう。

私たちの心は、ときとしてみにくい感情に支配されることがあります。
人は誰も、自分が一番かわいい存在だから、自尊心が脅かされることに不安を感じるのです。
みにくい欲求は、抑えようとすればするほど、かえって大きくなってしまうものです。
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人は、自己愛を捨て去ることはできませんし、またその必要もありません。
自分を苦しめるのが自己愛なら、それにうち勝とうとするのもまた自己愛です。
清らかな心でありたいと願うから、みにくい感情に拒絶反応を起こすのです。

他人から認められたい、他人よりも幸せになりたい、と思うことが悪いのではありません。それを露骨に言動に表し、当然のように要求することがいけないのです。
自己愛があるから、人は努力し、成長しようとします。
自己愛は、抑えるのではなく、うまく活かすようにしなければなりません。

人生は、思い通りになることよりも、ならないことのほうが多いものです。
何でも思い通りにならなければ自分を愛することができないのであれば、永久に自分を愛することはできないでしょう。
思い通りにならなくても、いえ思い通りにならないときにこそ、自分は価値のある存在だと信じ、そんな自分を受け入れることが、本当に自分を愛するということです。

「思い通りにならないこと」の最たるものは、「人はいずれ死ぬ」ということですが、それさえも、世の中の誰ひとりとして避けることはできません。
しかし、いずれ死ぬのだから生きることに意味はない、ということにはなりません。
死があるから生があるのだし、不幸があるから幸福があるのです。
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現実は現実として受け入れ、それでもなお、少しでも成長しよう、理想に近づこうと努力するところに、希望や生きがいがあります。
思い通りにならないから苦しいのではなく、思い通りになることが当たり前だと思うから苦しいのです。

他人を愛しても、相手も必ず自分を愛してくれるとはかぎりませんが、だからといって人を愛することは無駄だ、ということにはなりません。
仮に、愛情を人に与えれば、必ず自分にも返ってくると決まっているのだとすれば、愛情などというものは、交換可能なモノと同じで、たいした価値をもたないでしょう。

愛情は、どれだけ要求しても、どれだけお金を積んでもえられないものだからこそ、何ものにも代えがたい価値があります。
その大切さを知ってこそ、心から人を愛することができるし、自分を愛してくれる人に感謝することもできるのです。

どうすれば、自分は存在する価値のある人間だという自信をもつことができるのか。
そのためには、まず、できるかぎり上機嫌でいることを心がけるだけで充分です。
自分がイライラしていると、まわりの人まで不愉快にさせるし、自分が楽しんでいれば、まわりの人も楽しい気分になるものです。
人の役に立たなくてはならない、人の機嫌をとらなくてはならない、と不安に悩まされ、イライラをまき散らしていては、よけいに他人に敬遠されるだけです。
他人と接するとき、つねに上機嫌を心がけていられるなら、それだけで充分に人の役に立っているのです。

「意識する自分」と「他人から意識される自分」。どちらも大切な自分です。
自分の幸せは自分で決めるのだという強い意志と、まわりの人のおかげで生かされているという謙虚な感謝の気持ち。
どちらかに偏ることなく、バランスをたもつことができれば、自己愛はもっともよく活かされるでしょう。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

イライラ、ムカムカ、カリカリ…自分の気持ち持て余していませんか?読むだけで嫌な気持ちがなくなります
メッセージ No.180-189
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