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No.188『他人の立場で考えてみる』

会社員のAさんは、毎朝、出社する時間になるとゆううつな気分になります。
会社に、いつも偉そうな態度をとる上司がいるからです。
その上司は、ろくに仕事もできないくせに、人を見くだすような言い方で命令をし、失敗したときには部下に責任をなすりつけるのです。
Aさんは、「上司がなぜあのような態度をとるのか判らない」と嘆いています。
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他人の理解できない言動に腹が立ったとき、どう気持ちの整理をすればよいのでしょうか。
気にすればするほど、相手がそんな自分の気持ちなどたいして気にもかけていないことに腹が立ち、ますます執着を強めてしまいます。
気にすまいと必死で自分に言い聞かせても、そうして自分の心を抑えつけることがまたストレスとなります。

他人のことがどうしても気になるのであれば、とことん他人の立場になって考えてみるのもひとつの方法です。
なぜ上司がAさんを見くだすような態度をとるのかというと、答えは簡単で、現に見くだしているからです。
Aさんは、「その事実を認めたくない」というところで立ち止まってしまっているのです。
しかし、まず事実を受け入れなくては、対策を立てることもできません。

私たちが「他人の行動が理解できない」というときは、たいていの場合、「悔しさ」という感情が入り交じっています。
「理解できない」のではなく、「判ってはいるが、悔しいから認めたくない」のです。
「あばたもえくぼ」「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という言葉もあるように、好き嫌いという感情が入ると、他人をありのままに理解することが難しくなります。

そういうときは、相手を自分と関係のないひとりの人間として、「なぜそうする必要があるのか」と考えてみれば、少しは理解しやすくなります。
Aさんの上司は、自分に自信がないのでしょう。いつも偉そうにしていなければ、自分がバカにされそうで怖いのです。
たいした能力もないのに、責任ある役職をまかされて、不安で仕方がないのかもしれません。
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私たちは、自分の行動や考え方を変えるのは難しいことはよく判っているのに、他人が変わるのは簡単であると考えてしまいがちです。
どんなに嫌な性格の人も、本当は、できることなら皆に好かれて楽しく毎日を過ごしたいと思っているに決まっています。しかし、それができないのです。
他人の「できないこと」をあげつらうのは、あまり褒められたことではありません。
その人の立場になって、「こうすればよいのではないか」と考え、自分の教訓にするだけでよいのです。

「私だったらこうするのに、なぜあの人はそうしないのか」と責めるのは、自分も実際にその人と同じ境遇に生まれ、同じ人生を歩んだ上でなければなりません。そんなことは不可能です。
自分はその人ではないし、その人は自分ではないのです。

あくまで自分と相手は切り離し、損得や好き嫌いを抜きにして、ただ冷静に、客観的に相手を認めてください。
そう考える癖をつけることによって、他人の苦労や不安も少しは理解できるようになり、他人への無用な執着はしだいに消えていくでしょう。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.180-189
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