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No.178『他人に分かってもらうこと』

私たちは、他人に自分を分かってほしいという欲求をもっています。
誰でも、他人から認めてもらえればうれしいし、否定されれば悔しく、悲しいのは当然です。
しかし、はじめから「分かってもらうこと」を求めてしまっては、自分を見失い、他人に振り回されるだけの人生を送ることになります。
対人関係の苦手な人は、「分かってもらうこと」を当然のように要求するから、失敗を怖れてしまうのではないでしょうか。
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他人の目ばかりを気にしている人は、10人中9人が自分に賛同してくれても、1人に反対されれば自信を失ってしまいます。
まわりに精一杯気を遣っているつもりではいますが、その気遣いとは、本当の思いやりではなく、ただ自分が否定されることを怖れて予防線をはっているだけなのです。

もちろん、社会で生きていく上では、他人との関係は無視できません。他人の気持ちを察することも、自分の素直な気持ちをうったえることも重要です。
しかし、自分は他人の人生を生きているわけではないし、他人が自分の人生を生きてくれるわけでもありません。自分は自分、他人は他人というわきまえも必要です。

まず、他人に完全に分かってもらうことは不可能であるということを認めなければなりません。
「他人に分かってもらえなければ意味のないもの」にしがみついても、自分を窮屈にし、不自由にするだけです。
他人から認めてもらうことは、あくまでおまけのご褒美だと考えなければなりません。

それは、自分の欲求を抑えて我慢するということではなく、むしろ自分の内面を活かし、豊かにすることになるのです。
無理に自分の欲求を抑えても、「こんなに我慢している私の気持ちを分かってほしい」と思ってしまっては同じことです。
「たとえ他人に分かってもらえなくても、自分にとって意味があると信じられるもの」でなければ、他人に認めてもらう価値はないのです。
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他人に対して腹が立ったとき、復讐してやりたい、思い知らせてやりたいなどと考える必要はありません。それもまた、「自分の気持ちを分かってほしい」と相手に甘えていることになります。
悪い行いをした人は、すでに虚しさ、嫌悪感という大きな罰を受けています。それに較べれば、他人から与えられる罰などたかが知れています。
当人が罪悪感を自覚していなかったとしても、それほど図太く無神経な人は、知らぬ間にたくさんの敵をつくり、ろくな人生を送っていないはずです。
つまらない恨みで自分の心をけがすことは、自分にとって損でしかありません。

また、よい行いをした人は、たとえ他人に認めてもらえなくても、喜びや充実感という報酬をえています。
せっかくよい行いをしても、他人に認められることを求めてしまっては、自らその行為の価値を損ねることになります。
よい行い、悪い行いは、結果のいかんにかかわらず、行った時点ですでに報いを受けています。それで充分なのです。

世の中に絶対にたしかなものはありません。
自分の考えも時とともに変わっていくものです。他人の考えが自分と違うからといって気にすることはないのです。
自分と相手の生まれ育った環境が逆であったなら、考え方も逆になっていたでしょう。
自分も変わり、他人も変わり、自分と相手の関係も変わっていきます。
「私はこう思うのに」「あなたは昔はこうだったのに」などと他人をしばりつけることはできません。

まず自分の考えをはっきりさせて、他人の反応を確認しながら、柔軟に調和をたもつのがよいでしょう。
私たちは、少なくとも今、自分が正しいと信じる道に従って生きるしかないのです。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.170-179
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