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たかたまさひろ(著)

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たかたまさひろ(著)

No.121『言いたいことが言えないとき』

恋人や友人に対し、はっきりと言いたいことが言えない。
本当は甘えたいのに、相手に迷惑をかけまいとして、欲求を抑えてしまう。
必要以上に他人に気を遣ってしまい、結局、「私はこんなに我慢しているのに、その気持ちを誰も理解してくれない」と不満を募らせてしまう、という人がいます。

他人の気持ちを思いやり、気を遣ってあげることは、それだけをとり上げて考えれば、よいことです。
よいことをしているのに、なぜ不満を感じるのでしょうか。それは、率直に言って、本当に他人を思いやってはいないからです。
相手のために気を遣っているのではなく、自分が嫌われるのが怖いからご機嫌をうかがっているにすぎないのです。
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自分の要求が正しいことだと思うのなら、胸を張って言えばよいのです。それを「相手の迷惑になるから」と抑えてしまうのは、別の言い方をすれば、「相手は、こちらの正当な要求さえも迷惑に思うような心のせまい人間だから」と見くだしているということになります。
はっきり言いたいことが言えない原因は、「自分の要求が本当はわがままだと判っているから」か、「相手を軽蔑しているから」かのどちらかです。
どちらにしても、自分の問題なのです。

と言っても、やはり心情としては、他人に言いたいことをはっきり言うというのは、なかなかできないことです。できないなら、できなくてもよいのです。
はっきり言えない自分に嫌悪を感じ、自信を失うことはありません。
「言えないのではなく、言わないほうが得だと思うから、言わないのだ」と自覚しさえすれば、それでよいのです。

「相手の機嫌を害して、ムードを壊したくないから」でも、「自分が嫌われたくないから」でも、理由はどうあれ、そう判断したのは自分なのです。
「できないこと」は、本当は、やろうと思えばできるのに、自分がやりたいと思わないから「しない」だけなのです。

それが今の自分の判断なのだと認めなくてはなりません。他人のせいだと思い込もうとするから、不満が募るのです。
そんな自分が嫌なら、言いたいことは言うべきだと心の底から思うなら、迷うまでもなく、言っているはずなのです。
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好きな人に思いを打ち明けられないという人も、できないのではなく、「断られたときのショックを考えれば、あまりにもリスクが高い」と自分が判断したから「しない」だけなのです。
それはまだ愛情とは呼べず、「自分を受け入れてほしい」という願望の段階にすぎません。もしも断られたとき、「せっかく勇気を出して告白したのに。その純真な思いを踏みにじられた」という怒りを感じてしまうことが怖いから、告白できないのです。

告白したいなら、断られてもその事実をしっかり受け止めるという覚悟ができるまで待つしかないのです。「恋愛はしたい、でも傷つきたくはない」などと悩んでいては、いつまでたってもらちがあきません。
傷つくことは、誰でも怖いものです。
人は皆、弱いもので、弱いことは恥ずかしいことではありません。「自分の弱さを受け入れられないこと」こそが恥ずかしいのです。

では、実際に、好きな人に振られたり、友人から嫌われたりという悲しい目にあったときは、どう対処すればよいのでしょうか。
その答えは、「しっかり悲しむ」ということです。
悲しいことから逃れる方法などありません。責任を転嫁したり、言い訳を考えたりせず、悲しいことは悲しい、と自分の感情を受け入れるしかないのです。

自分の感情をありのままに認めるということが、「生きている実感」ということです。
うれしいこと、楽しいことばかり起こる人生が幸せなのではありません。悲しみを受け入れられる人こそが、喜びも自分のものとして感じられるのです。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.120-129
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