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たかたまさひろ(著)

No.103『不安を解消するには』

恋人ができても、愛されている確信がえられない。
友人ができても、いつか嫌われてしまうのではないかと不安で仕方がない。
不安が先立ってしまい、人付き合いを楽しめない。
そのような不安は、どのように解消すればよいのでしょうか。

ここで、不安と恐怖を区別しておきましょう。
「不安」とは、まだ起こっていないことを予測して怖れることであり、「恐怖」とは、現実に目の前で起こっていることに対して感じる怖れです。
夜道をひとりで歩いているとき、強盗に襲われないだろうかと警戒することが「不安」で、実際に強盗に襲われてはじめて、「恐怖」を感じます。
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「不安」は、人間にとって必要なものですが、あくまで「恐怖」を避けるため、あるいは軽減するためのものです。
この不安があまりにも強すぎると、実際の恐怖よりも大きな苦しみを自分自身に与えてしまいます。これでは、何のための不安か判りません。
不安は、自分を守るためのものであって、苦しめるためのものではないのです。

絶対に他人から傷つけられない唯一の方法は、誰とも付き合わないことです。付き合う以上は、傷つけられることもあるということを覚悟しなければなりません。
夜道を歩くとき、いくら注意していても、強盗に襲われるのを完全に防ぐことはできません。私たちにできる対策は、「万一、襲われたらどうするか」を考えておくということだけです。
絶対に強盗に襲われたくない、交通事故にもあいたくないというのなら、家の中に閉じこもっておくしかないのです。

他人から嫌われないだろうかという不安に悩まされている人は、他人というものを「自分を好きになってくれるか、どうか」という目でしかみていません。その裏には、「自分を嫌う人間が存在することは許せない」というごう慢さが潜んでいます。

自分が完璧でないのと同じように、他人も完璧ではありません。他人にも自分にも完璧を求めてはいけません。
「嫌われたらどうしよう」という不安に怯えてばかりいては、一歩も前へ進めません。「嫌われることもありうる」と覚悟を決め、その先のことを考えるしかないのです。
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他人は自分の思い通りに動いてはくれません。他人を意のままに操ることは絶対にできません。
当たり前のことですが、この当たり前のことが判っていないために苦しんでいる人が、あまりにも多いのです。
幸せな人とは、「何でも望み通りになっている人」のことではなく、「人生は望み通りにはいかないということが判っている人」のことです。望み通りにいかない人生の中で、与えられたものに感謝し、喜びを見つけられる人のことです。

まったく、私たちを苦しめるものは、「執着心」です。
愛されないから苦しいのではありません。「愛されるか、どうか」に執着するから苦しいのです。
愛されることに執着している人は、たとえ心から愛してくれる人が現れたとしても、今度は「失いたくない」という執着に悩まされるだけです。執着心を捨てないかぎり、永久に心は満たされません。

と言っても、執着心を捨てることは、なかなか難しいことでしょう。それができない自分に嫌悪感を抱いてしまっては、逆効果です。
「執着心を捨てること」に執着してもいけないのです。
とりあえずは、「自分は執着心に苦しめられている。自ら苦しみをつくり出しているのだ」と、はっきり自覚してください。
暗闇の中で行くあてもなくさまよっているのと、目的地があって「前向きに悩んでいる」のとでは、大きく違います。やがて、「自分の幸せは、自分でつくり上げるのだ」という意志が生まれてきます。

ときには落ち込んで、くよくよしてもいいのです。くよくよしている自分をおおらかに受け入れてあげましょう。
苦しみの原因を理解したというだけで、大きな進歩だといえます。幸せは、もう目の前です。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.100-109
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